光と時のインスタレーション「Light is Time」

インスタレーション作品「Light is Time」
[text/photo 蓬田修一]
青山スパイラル1階にある吹き抜けの展示スペース「スパイラルガーデン」。ここに、光と時のインスタレーション「Light is Time」が繰り広げられた。
空間を螺旋状に描くようにきらめくひとつひとつの光は、時計のすべての部品を支える基盤装置「地板」と呼ばれるものだ。空間の照明は、明るくなったり暗くなったり波のように変わる。そのたびに地板が発する光は、様々な表情を見せる。幻想的なサウンドが奏でられ、光全体を覆っている。空中に浮かぶようにきらめいている地板のカーテンの間を通り抜けるとき、これまで味わったことのない幸福感に包まれた。
このインスタレーション作品は、建築家・田根剛氏とテクニカルディレクター・遠藤豊氏の手により創られた。もともとは、2014年にイタリア・ミラノで開催された世界最大規模のデザインイベント「Milano Design Week2014」に出品。「Milano Design Award Competition」において、「ベストエンターテイニング賞」と「ベストサウンド賞」を受賞した。今回の展示は、デザインの本場ミラノで認められた同作品の“凱旋展”でもあるのだ。
シチズンは時計づくりから発想を得て「Light is Time」という最もシンプルなコンセプトにたどり着いたという。「Light is Time」というコンセプトについて「宇宙の始まりであるビックバンと同時に光は生まれ、地平の果てから昇る太陽は地球を光で満たし、動く影の変化や季節の変様、月の満ち欠けに気が付いた人類は、いつしか『時間』という概念を創出した」と同社は説明している。
インスタレーション作品「Light is Time」は、シチズンがたどり着いたコンセプトを圧倒的なクリエイティブ力で形にした。田根氏と遠藤氏の作品からは、デザインの持つ可能性を改めて感じることができた。そして大きな感動を与えてくれたことに感謝したい。
(2014/11/29)

光を放っているのは、時計のすべての部品を支える基盤装置「地板」
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