【イベントインプレッション】CEATEC 個人的にはかつての迷走を脱却
出品物が数年後には現実化
幕張メッセで開催された「CEATEC」について、インプレッションしたいと思います。ビジネスという視点からでなく、一般の生活者の立場からです。
CEATECは昔の「エレクトロニクスショー」略して「エレショー」が前身で、その頃は家電の見本市でした。
国内の大手家電メーカーが勢揃いして大規模ブースを構え、派手な展示を競っていた。言ってみれば、日本の国策的な見本市だったたと思います。
その後、国際マーケットの変化にともなって、日本の家電メーカーは事業内容を大きく変え、展示内容も変化していきます。要は、見本市自身が迷走してしまったわけです。
そこで見本市の名称を「CEATEC JAPAN」と変え、コンセプトをリニューアルして再出発。さらに今年からは、名称からJAPANをはずして「CEATEC」だけとなりました。
なぜJAPANを取ったか? これまでは日本の技術を集めて発信するという意識が主催者側にあったようで、だからJAPANを付けていた。これからは日本にとらわれずに運営していこうということらしい。(機会があれば主催者に確認したいです)
わたしはエレショー時代から20年以上ほぼ毎年、会場に行っていますが、迷走していた時期は会場を回っていてもテンション上がりませんでした。まあ、当時の自分の仕事に対する心構えが未熟なうえ、社会全体に対する勉強も足りていなかったこともあるんでしょうが、出品物に対してどう接していいかよく分からず、見本市のあり方もひまひとつピンと来なかったのを覚えています。
それが、近年はだんだんと面白く感じてきました。その理由のひとつは、CEATECで見たアイデアが数年後には現実化しているからです。
もうだいぶ前でしが、ARのデモを体験したとき、正直「なんかよく分からないな~」「これがどういうふうに使われるんだろう??」と思っていましたが、数年後には瞬く間に普及していきました。
去年だったか、ローソンが自動レジのコンビニを出品していました。商品を持って通過するだけで支払い完了! その技術はまだ実用化されていないけれど、スーパーのレジはどんどんセルフになっていて、コンビニの自動レジも現実感を持って考えられるようになっています。
今年も面白い出品物がいろいろあったけれど、ひつとだけあげると、日本タクシーが出品していた、タクシーのドラレコデータを使ったサービス。空き地情報や屋外広告の効果検証などのサービス提供を考えていて、すごく興味深かった!
CEATECの面白いところは、各企業の最新技術の最前線がまとまって見られ、すぐ先の未来のサービスやビジネスの姿が、生活者視点で考え見通せることです。
今年行けなかった人は、来年ぜひ時間を作って行ってみることをおすすめします!
↓ANAブース。今年はANAが力を入れて出展していたのが印象的。
思いのほか出展企業の新陳代謝が激しい
今年のCEATECの登録来場者数は14万4491人。昨年は15万6063人で1万人以上減少した。台風の影響なのかもしれない。
おれは3日目、3万8585人が来場した日の午後に行ったが、会場は賑わっていたというか、混雑していたよ。
出展者数は787社・団体。昨年は725社・団体で8.6%増加。出展小間数は2,122小間で昨年は1,786小間だから、18.8%という結構な伸び率。今年は使用ホールが1ホール増えた。
海外出展者は24か国・地域から250社・団体。昨年は19か国・地域から206社・団体だから、これも結構増えた。
興味深いのは、新規出展者数。304社・団体で、全出店者数の4割近くを占めている。昨年は345社・団体。
継続出展している企業は思いのほか少なく、毎年、たくさんの企業が新規に出展しているのが意外だった。