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人間を創る


江戸時代に書かれた本を読んでいると、「学問」という言葉がよく出てくる。
「学問」という言葉の意味は、今と近代以前では異なる。

いまの「学問」は、文献などの研究を行い、方法を打ちてることである。

一方、近代以前の「学問」は、文献内容に精通し、物知りになることであった。

学者が読むべき文献は、第一級の古典文献であった。

物知りで終わる学者は多かったようだ。

しかし、陽明学者は文献の内容をとおして、「人間を創る」ことを目指した。

話しを今の時代に戻そう。

20世紀末、パソコンが普及し、ネット検索も広く行われるようになった。

知識はネット検索で分かるから、人間に必要なのはオリジナリティだと言われた。

2024年、生成AIが実用化された。

生成AIは、知識を人間に与えてくれるだけでなく、正確な内容のコンテンツも作れるようになった。

しかし、生成AIはメッセージを作ることはできない。

メッセージとは発信する人の個性と不可分に結びついたものだからだ。

我々はいま生成AIと共存している。

この時代に必要なのは、圧倒的な属人性、つまり「人間を創る」ことなのだ。




Posted on 2024-05-01 | Category : コラム, 生きる指針 | | Comments Closed
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