Home > コラム, 漢文のこころ > 冬の漢詩 「梅花」  宋 王安石(おうあんせき)

冬の漢詩 「梅花」  宋 王安石(おうあんせき)



[訳:蓬田修一]

[漢文]

梅花  宋 王安石

牆角数枝梅
凌寒独自開
遙知不是雪
為有暗香来

[書き下し]

梅花(ばいか)  宋 王安石(おうあんせき)

牆角(しょうかく) 数枝(すうし)の梅
寒(かん)を凌(しの)いで 独(ひと)り自(みずか)ら開く
遙かに知る 是(こ)れ雪ならずと
暗香(あんこう)の来たる有るが為(ため)なり

[現代語訳]

庭のかきねの片隅にある数本の梅
厳しい寒さに負けず(ほかの花は咲いていない中)ひとりだけ咲いている
遙かに離れていても それが雪ではないことが分かる
どこからともなく香りが漂ってくるから

[ひとこと解説]

牆角(しょうかく)とは、庭のかきねの片隅。
暗香(あんこう)とは、どこからともなく漂う香りのこと。

前半二句は、寒中に咲く梅の様子を自然に詠む。
それに対し、後半二句は説明的で理屈っぽい。


Posted on 2015-01-17 | Category : コラム, 漢文のこころ | | Comments Closed
関連記事