新年の漢詩 「元旦大雪」 清 査慎行(さしんこう)
[訳:蓬田修一]
[漢文]
元旦大雪 清 査慎行
跡遠疎賓客
心空穏睡眠
正宜晴閉戸
況乃雪漫天
与世喜無事
為農占有年
庭梅生意動
報我一花先
[書き下し]
元旦大雪 清 査慎行(さしんこう)
跡(あと)は遠く 賓客(ひんかく)は疎(まれ)に
心空(むな)しくして 睡眠穏(おだや)かなり
正(まさ)に宜(よろ)し 晴るるも戸を閉ざすに
況(いわ)んや乃(すなわ)ち 雪の天に漫(ひろ)がるをや
世の与(ため)に 事無きを喜び
農の為(ため)に 年(ねん)有るを占(うらな)う
庭梅 生意(せいい)動き
我に報じて 一花先(さき)んず
[現代語訳]
元旦大雪 清 査慎行(さしんこう)
今、足跡を残すこのふるさとは政治の世界からは遠く離れ 正式の訪問客もまれにしか来ない
心にわだかまることはなく 穏やかな眠りにひたれる
まことに都合がよろしい 晴れた日でも門を閉ざしてひっそりと暮らすのには
ましてや元日のこの朝 空一面に雪が舞っている
世の中のために 無事であることを喜び
農民のために 実りが豊かであることを占う
庭の梅にも 生気のエネルギーが動き出し
(そのことを)私に知らせようと まず一輪の花が咲いている
[ひとこと解説]
作者は54歳でようやく進士に合格。十年ほどの宮仕えを終えて故郷に帰ってきた。そのときの詩である。
六句目の年(ねん)は稔(ねん)=秋の稔(みの)りに通じる。
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