The Japanese Spirit of Nature Worship
In many parts of the world, when people hear the word “religion,” they often think of a god, a founder, scriptures, and organized institutions. In monotheistic traditions such as Judaism, Christianity, or Islam, nature is regarded as God’s creation, but it is not worshiped as a divine being itself.
Japan, however, has a different tradition. Since ancient times, the Japanese people have revered mountains, rivers, rocks, trees, and other natural elements as “kami,” or deities. This practice is called Shinto. Yet, rather than being a religion in the institutional sense, Shinto is better understood as a way of belief, or a spiritual sensibility.
This reverence for nature is still alive in modern Japan. Visiting a shrine at the New Year (hatsumōde), holding festivals to thank the sea or mountains for their blessings, or instinctively bowing in front of a great tree or a beautiful waterfall—all these acts reflect a deep sense of respect toward nature. Japanese people may not see these as “religious” actions, but they are guided by a cultural tradition of awe and gratitude.
In many ancient civilizations, nature worship was once common. Yet, as societies developed and religions became systematized, especially under monotheistic beliefs, this form of worship largely disappeared. Japan is unique in that it has preserved a pure form of nature worship into the modern age.
For the Japanese, nature is not just “the environment.” It is a living presence—something to live with, to fear, and to appreciate. This perspective is less about religion and more about a way of life and a natural feeling of the heart.
Japanese people still carry the spirit of worshiping nature as divine. It is not so much a religion, but rather a natural sensibility that shapes the way we live.
【第20回】ICTキャンパス 大阪大学「BYOD対応でVDI導入 利便性向上 運用コスト低減」
仮想デスクトップ環境で運用コストを低減
大阪大学はサイバーメディアセンターを2000年度に設置し、学内外の情報基盤整備を行っている。
14年9月、同センターはVDI(Virtual Desktop Infrastructure、仮想デスクトップ環境)を利用した情報教育端末サービスの運用を開始するとともに、BYOD(Bring Your Own Device、持込PCの活用)の推進をスタート。
その後約10か月が経過し、運用コスト面や教育面において効果を上げていることが明らかになってきたという。
VDIは、1台の物理サーバーに複数台の仮想マシンを集約し、仮想マシン上で端末のOSやアプリケーションを動かす仕組み。仮想マシンとクライアント間では、イメージ情報と入力情報をやり取りする。
昨年9月にVDI(Virtual Desktop Infrastructure、仮想デスクトップ環境)BYOD(Bring Your Own Device,、1人1台の持込PC)を整備、その後1 0か月を経過した大阪大学サイバーメディアセンター
個人持込PC対応もVDI導入の理由
VDI導入のもうひとつの大きな理由が、BYODへの対応だ。
学生にとってPCなどの情報デバイスは、すでに必須のツールだ。大阪大学では、学生は自分の端末を使って授業を受けるというスタイルへ変化すべきだと考えていた。
しかし、学生はさまざまな情報端末を持っている。ネットワークを介して教育コンテンツを届けるには、何らかの統一性が必要だった。これを解決するため導入したのがVDIだ。
「VDIの導入によって、教員やTA(ティーチング・アシスタント)は、授業の準備などが自分のオフィスから行えるようになり、利便性が増して、よく利用されているようです。学生にとっても、課題などを自宅で行えるのは、大きなメリットだと思います」(大阪大学サイバーメディアセンター 情報メディア教育研究部門講師 間下以大氏)
たとえ無償のソフトウェアでも、自宅のPCに大学側と同じ環境を用意するのは難しいこともある。そういった場合でも、自宅などからネットワークに接続するだけで、大学のデスクトップ環境が使えるのは大きなメリットだ。
このように大きな利便性があるVDIだが、利用方法がよく理解できていない学生も少なくないという。
そのため、今後はVDI利用のさらなる周知を図っていくと同時に、BYOD推進も一層強化していく計画だ。
「VDIは一般的な座学の授業でも、必要に応じて共通のデスクトップ環境を提供することができます。これは、授業中に学生個人のPCからVDIを利用することで、授業で使える道具の選択肢を大きく広げることになり、より高度な教育のより効果的な実現につながると考えています。こうしたことのためにも、BYODの推進が必要だと考えています」(間下氏)
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2015年8月3日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第19回】ICTキャンパス 名古屋文理大学「学科新入生にiPad無償配布4年経過し多様な効果が実証」
情報メディア学科では日本で初めて全学生にiPadを無償配布した。4年が過ぎ、全学年が所有するようになり、学年横断的な活用が進んでいる。将来的にはBYODを視野にいれている
名古屋文理大学は、愛知県稲沢市と名古屋市にキャンパスを持ち、大学2学部3学科、短期大学1学科2専攻、全学で約1400人の学生が学ぶ。1986年、短大に情報処理学科が開設。99年には大学に情報文化学部が開設された。
短大時代から数えておよそ30年にわたって情報教育が行われ、卒業生は情報技術者をはじめ、情報技術を持った企業人、情報教育に関わる人材として活躍している。
授業活性化・学生生活アプリ開発に活用
同大学では、11年に情報メディア学科の新入生全員へのiPad無償配布を開始。学科の新入生全員への無償配布は、日本の大学では初だ。
同学科でのiPad無償配布の目的は、授業の活性化、学生生活での活用、モバイルシステム開発の推奨の3点にある。
まず「授業の活性化」では、資料配信、レポート提出、eポートフォリオ、eラーニング、教育アプリ、プレゼンテーションなど多様な利用がなされ、双方向授業、反転授業、アクティブラーニングの推進にもつながっている。
2点目の「学生生活での活用」においては、学生間や教員らとのコミュニケーション、隙間学習、eラーニングによる資格取得対策、就職活動などでの活用が見られる。
時間割の確認や休講通知、履修登録、成績管理、出席管理なども、学生ポータルサイトを通じてiPadから行える。
3点目の「モバイルシステム開発の推奨」については、モバイル端末の利用やアプリ開発への関心が高まり、学年をまたいだ学生の自習的な勉強会によるアプリ開発が行われるようになった。
学年横断の授業やプロジェクトが活発化
学内外のアプリ開発コンテストへ応募したり、研究成果を学会で発表する学生も見られる。企業とコラボレートした開発も行われており、在学中からIT企業とつながりをもつ学生も出てきた。
名古屋文理大学情報メディア学部学部長の長谷川聡教授は「配布を始めて4年が過ぎ、全学年がiPadを持つようになったことで、学年横断の授業や学生プロジェクトでの活用が進みました。卒業研究や就職活動の際も利用されるようになり、4年間を通して利用可能であったことが実証されました」と話す。
オープンキャンパスでは、学生が高校生に向けてiPad利用のデモを行ったり、高校生向けのアプリ開発講座を実施している。
iPad無償配布前から、有志教員により行われている「iPad教育利用研究会」では、年々新しい利用法が提案・検討され、他大学や学会において情報交換する機会が増えた。
iPad活用の教育は、日本高等教育評価機構からも「名古屋文理大学平成26年度大学機関別認証評価評価報告書」により、高い評価を受けた。
「利用については毎年、最新機種を含めて検討を重ねています。利用方法もeポートフォリオやプログラミング教育など、新しい取組を進めているところです。『iPadありき』ではなく、他の端末やシステムの利用も含めて常に検討しています。将来的には、利用可能なタブレット端末が十分に普及すればBYOD(Bring Your Own Device)も考えられるでしょうし、ウェアラブル端末の利用もあり得るかもしれません」(長谷川氏)
近い将来、これまでのiPad利用による成果の蓄積をオンライン上で提携高校などと共有できるようにし、遠隔授業や協働学習などへ展開することを検討している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2015年7月6日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第18回】ICTキャンパス 九州大学「講義を撮影し一般にも公開 3次元CG電子教材も開発」
九州大学は、2011年に、附属図書館の付設として「教材開発センター」を設置。同センターでは、講義ビデオの撮影・編集・公開、MOOC(Massive Open Online Course)コンテンツの制作、デジタル副教材の開発、各種講習会の実施などを行っている。
今回は、同センターが取り組む講義ビデオの撮影・編集・公開と、3次元CGを使った電子教材について紹介する。
講義ビデオの画面
自律的な学習で学生をアクティブラーナーに
講義ビデオの撮影にあたっては、まず学期が始まる1か月前までをめどに、担当教員からビデオ撮影の要望を受け付ける。その後、公開承諾書を提出してもらうとともに、著作権処理などについて確認する。
撮影は講義室にビデオ機材を持ち込み、同センターのテクニカルスタッフや教員が行い、必要に応じて、学生に撮影を依頼することもある。
撮影後はすぐに編集し、講義担当の教員がビデオ内容を確認。その後、OCW(Open Course Ware)、iTunes U、YouTubeにおいて講義ビデオを公開する。講義ビデオは学生に限らず、一般の人たちも閲覧できる。
「学生にとっては、いつでもどこでも、自律的に自分のペースで自由に学習できることで、自ら問題意識を持ち、自ら考え解決していくアクティブラーナーとしての成長につながると考えています。一方、教員にとっては、反転授業や融合型学習の実践に役立っています」(九州大学附属図書館付設教材開発センター長・岡田義広氏)
今後は、専用スタジオを使って、高品質な撮影・編集を行い、同大学を代表する研究者の講義をMOOCコンテンツとして公開していく計画だという。
3次元CGを活用して、解剖学が学べる副教材「アナトミー・アドベンチャー」
ゲーム性を取り入れた3次元CG教材
同センターでは2012年度より、3次元CGを活用した電子教材の開発に本格的に取り組んでいる。初年度は、医学部の学生と教員との協働により、骨学を学ぶ副教材を開発した。対話的なマウス操作で、骨や部位の名称を、形状を確認しながら学習できるのが特徴だ。
翌13年度には、細菌学を学ぶための副教材「サイキン・ハザード」を開発。RPG(ロールプレイングゲーム)のように物語性を持たせたのが特色だ。ゲームを楽しむ感覚で、細菌について学べる。
14年度には、解剖学を学ぶための副教材「アナトミー・アドベンチャー」を開発。これもゲーム性を取り入れたもので、スゴロクのようにコマを進めていき、各マスに止まったとき、解剖学に関するクイズが出題され、それに正解しないと得点が得られないというものだ。ゴールを目指してクイズに答えていく過程で、解剖学の知識が身に付く。
「講義担当の教員と受講学生との協働で進めていますので、学生の意見を反映させた、より学習効果の高い教材が開発されています」(岡田氏)
同センターによれば、大学などの高等教育機関で、3次元CGを活用した電子教材の開発に取り組んでいるケースはほとんどないという。電子教材開発のモデルケースとなるよう、これからもさらに取り組みに力を入れていく考えだ。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2015年6月1日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第17回】ICTキャンパス 名古屋大学「eラーニングシステム ”NUCT” を全学展開」
「Sakai」ベースにシステム開発
名古屋大学はeラーニングシステム「NUCT」(Nagoya University Collaboration and course Tools)を平成22年から運用している。
同大学では平成10年に情報メディア教育センターを設置し、教材作成を支援するため、コース管理システム「WebCT」の日本語化や利活用法に関する研究開発を行ってきた。その後、WebCTは情報メディア教育システムの一部として導入されたが、WebCTのライセンス供与終了が予告され、後継システムの検討に入った。
検討では、将来にわたるライセンス費用、開発言語、OS、認証システム、データベースシステムの共通化など様々な観点から議論を重ねた。
そうして開発されたのがNUCTだ。これは、海外の大学などが推進する教育ソフトウェア開発プロジェクト「Sakai」のプログラムをベースにしている。
教員はNUCT上に授業空間(これを「講義サイト」と呼んでいる)を開設し、授業で使う教材や資料をアップロードしたり、テストを作成する。
一方、受講登録された学生は、パソコンなどから講義サイトにログインし、教材を閲覧したり、テストを受けたりすることができる。
大学側ではシステムのバージョンアップを随時行い、利用の便宜を高めるとともに、様々な利活用法を提案してきている。
こうした大学側の取組もあり、NUCTの運用開始以来、講義サイト数は順調に増え、学生の利用も増加しているという。

名古屋大学のeラーニングシステム「NUCT」に おける「マイネットワーク」と呼ばれてる画面。ユーザーにとってトップ画面的な機能を果たす。UNCTに関する最新情報や利用案内を掲載する。
教員の利用が多い課題提出と成績管理
大学側が教員を対象に、これまでの利用状況について調査したところ、課題提出管理と成績管理が多いことが分かった。
これは、NUCTのログインIDや学籍番号が表示されることで、学生の学習状態を把握しやすいことが理由だと考えられている。ほかにも、メッセージ通知機能や教材提示機能の利用が増加している。
タブレット端末向けの表示機能については、「PCが設置されている端末室以外でも利用できるのがいい」「授業でipadを利用しているので便利」「採点操作が楽」などと評価する声が多い。
また「スマホを活用して、即応性の高いアンケートなどを行いたい」といった利用法を考えている教員もいた。
現在は、ほぼすべての講義室に無線LAN環境が構築されているが、無線LAN同時アクセス数の制限からNUCTを十分に利用できない場合もあるため、アクセスポイントを拡充させ、利便性を向上させていくことも検討している。
紙レポートの提出と連携も視野に
一般的に、eラーニングは、導入することよりも、成果を上げながら続けることの方が難しいと言われている。
また、eラーニングを利用したからと言って、学生が突然、勤勉になるという訳でもない。
名古屋大学では、これらの課題の解決を念頭に、今後もNUCTの運用を行っていく考えだ。
今年4月からは、すべての教養教育院(教養課程に相当)開講の全学教育科目および学部開講の科目について、NUCTにサイトを作成し、学生の受講者登録を行っている。
今後は、従来から行われている紙によるレポート提出とNUCTとの連携なども視野に入れたシステムのバージョンアップを計画している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2015年5月4日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第16回】ICTキャンパス 千歳科学技術大学「eラーニングを予習に活用 反転授業で学生の成績向上」
北海道千歳市にある千歳科学技術大学は、eラーニングを予習に取り入れた反転授業により、学生の成績向上に効果を上げている。
反転授業を行っている授業は、グローバルシステムデザイン学科2年生の必修科目「プログラミングスキル(春学期)」と「オブジェクト指向プログラミング(秋学期)」。プログラミングスキルはC言語を、オブジェクト指向プログラミングはJava言語を取り扱う授業で、履修学生数はそれぞれ約80人である。
同大学ではこれまでにも、学生の能力向上や効果的な授業を実現させるために、科目の増設、TA(Teaching Assistant)の増員、学生が自宅で学習できるようにeラーニングを導入するなどさまざまな施策を行ってきた。しかし、思ったような効果はなかなか上がらなかった。
「これでは学生はいつまでたっても自力でプログラムを書くことができないばかりか、授業における実習時間が有効活用できていないことにもなります。そこで、授業の多くの時間を実習に利用できるようにするため、平成25年度から、それまでブレンド型授業や宿題に用いてきたeラーニングを予習に活用し反転授業を行うことにしました」(千歳科学技術大学グローバルシステムデザイン学科林助教)
学生の予習状況はシステムに記録
現在利用しているeラーニング教材は、すべて大学で作成したものだ。教科書には解説文や図だけではなく、アニメーションを活用し、一層理解しやすくした。平成26年度は解説付きの動画教材も利用した。
eラーニングの演習問題は、穴埋めまたは選択で解答する方式にすることで、採点業務を効率化させ、複数回の実施を可能にした。
学生の教科書の閲覧状況と演習問題への解答状況は、同大学独自のLMS(Learning Management System)に学習履歴として記録される。
教員は学生の学習履歴を確認することで、どのようなところでつまずいているのかを把握でき、授業中、学生にあわせた適切な指導を行うことができるようになった。

プログラミングで反転授業を取り入れて成果を上げている。実習時間が以前よりも確保でき、発展課題に取り組むことも可能となった
プログラミングへの自信につながる
授業にあたっては、まず学生に対して、eラーニングによる予習を、授業用ポータルサイトの活用とリマインダーメールにより促す。eラーニングで予習をしている期間、学生は大学において対面でTAに質問することもできる。
授業では冒頭に確認テストを行う。確認テストを実施している間、教員は学生の予習状況をLMSで確認する。その後、教員は予習で用いたeラーニング教材やスライドを使い、学生に理解しにくい概念的な内容やつまずきやすい内容を改めて解説していく。
こうした予習を前提とした授業を展開することで、反転授業導入以前に比べ、中間試験と期末試験における学生の成績は、中間層および上位層において向上した。
学生に反転授業による授業について調査したところ、64%が「良い」と回答。また、プログラミングに対する自信については、9%が「かなりプログラムを作れるようになった」、73%が「プログラムを作れるようになった」と回答している。
林助教は「今後は、授業冒頭の確認テストを予習段階でも行えるようにして授業の一層の充実を図っていきたい」と話す。
また、現在LMSに蓄積している学習履歴に加え、学生のプログラミング技能習得につながるデータも蓄積・分析を行い、反転授業を継続していく意向だ。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2015年4月6日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第15回】ICTキャンパス 大阪経済法科大学「ICカード学生証でキャンパスライフ支援」
大阪府八尾市に本部を置く大阪経済法科大学は1971年に開学。経済学部(経済学科・経営学科)と法学部(法律学科)の2学部3学科を設置し、多彩な進路・目標を目指せる全12のコースを軸に、特色ある教育が行われている。2012年、八尾駅前キャンパスの開校を機に「ICTキャンパス」の整備を推進。学生がキャンパスライフの中でICTを活用できる環境を整えた。
八尾駅前キャンパスは、全館に無線LAN環境を導入。講義室や演習室はもちろん、図書館やコミュニティスペースに至るまでネットワークへのアクセスが可能だ。
学生証は電子マネー機能を搭載したICカードタイプで、多彩な機能を備えている。その1つが出席管理。教室には専用カードリーダーを備え、講義に出席した学生はリーダーにカードを通すことで出席登録を行う。
出席状況はリアルタイムにデータベースに蓄積。学生一人ひとりの出席状況が把握できるため、きめ細やかな修学指導にも活用。証明書発行申請や図書貸出にも対応しており、学内での諸手続がカードひとつでスムーズに行える。
電子マネー「楽天Edy」に対応しているため、学内でのレストランや一部自動販売機での支払いはもちろん、学外の店舗でも利用できる。
さらに、八尾駅前キャンパスでは入室管理システムを導入。演習室などに入る際は、学生証で電子ロックを解錠する。そのため高いセキュリティ性が確保され、夜間のキャンパス開館が可能となり、学生は夜遅くまで安心して学習に励むことができるようになった。

ICT機器を使った授業風景。学生はICカードの学生証で電子ロックを開錠して教室に入室する。
学生生活全般に及ぶクラウドサービス
同大学のICT活用で、特徴的なのはクラウドサービスの充実。主なサービスは次の通り。
■ポータルサイト
クラウドサービスの総合窓口が「NicePortal」だ。大学の行事予定やお知らせ、学生自身の時間割表などを一元管理。掲示板もある。
■キャリアポートフォリオ
学生個人の成績、出欠、取得資格、課外活動の成績などの情報を集約。希望業界や就職活動の状況なども登録でき、就職指導を受ける際に役立つ。学修の成果物が蓄積できる「マイノート」機能を持ち、自分の成長記録が一目で分かる。
■eラーニング
「I‐Navi」は、ネットを通じて授業の予習や復習、資格試験対策などの学修が可能。講義の理解度を確認するテスト、継続した学習が要求される外国語教育、夏期休業期間中のオンライン集中講義など、幅広い活用が進んでいる。
■Nice JOB System(キャリアサポートナビ)
各企業から寄せられる最新の求人情報やセミナー情報などを集約。
■コミュニケーション
メールや掲示板などを活用して、学生間および教職員とのコミュニケーションが行われている。
今後の課題はスマートフォンやソーシャルメディアへの対応強化。教育やキャンパスライフにおいて、これらを適切に活用していくための環境整備やサポートを検討中だ。
「スマートフォンやソーシャルメディアを、自身の学びやキャリア形成のためのツールとして十分活用できている学生はまだまだ限られていると思う。大学がこうした最新動向をしっかりと捉え、戦略的に教育や学生サービスに取り入れていけるかが今後のテーマになる」と同学情報科学センター事務長代理・平田良作氏は語った。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2015年3月2日号掲載
(執筆 蓬田修一)
産業革命はなぜ大国フランスではなくイギリスで起こったのか?
産業革命前のヨーロッパ、フランスは土地も広く、人口も多くイギリスよりも大国でした。
産業革命はイギリスで起こりましたが、当時の大国であるフランスで起こっても不思議ではなかったのです。
なぜ、フランスではなくイギリスだったのか?
わたしはかねがね疑問でした。そこで調べてみて分かったのは「金融」がカギでした。(2025年8月現在)
以下に、イギリスで産業革命が起こった背景・理由について考えてみます。
① 金融制度と資本集積
イギリスは17世紀末にイングランド銀行(1694年)が設立され、国債発行や紙幣流通が始まりました。
株式会社制度や株式市場(ロンドン証券取引所)はすでに整備されており、多数の投資家がリスクを分担して大規模投資が可能になっていました。
保険制度(ロイズ保険)も発展し、航海・商業・産業投資のリスクが下がりました。
イギリスでは「銀行+証券市場+保険」が連動して、資本を集めやすくリスクを軽減できる金融システムが早くから成立していました。
フランスは絶対王政下で利益は宮廷財政に吸い取られがちでした。資本が長期投資に回らず、工業よりも土地や国債に投資されやすかったのです。
フランスで産業革命が起きなかった理由は、金融以外にも以下の要因があります。
② 議会主権と「財産権の保護」
イギリスは1688年の名誉革命で王権を制限し、議会が課税・財政をコントロールする体制になりました。
これにより、商人・地主・投資家の財産権が保証され、長期投資できる環境が整いました。
フランスは逆に、絶対王政のもとで税制は貴族・聖職者は免税、庶民だけに重税と不公平でした。
投資や事業よりも「身分特権」を得る方が有利で、資本主義の活力が削がれていました。
③ 地理と貿易
イギリスは海に囲まれた島国で、貿易と海運は自然の成り行きでした。
植民地からの綿花・砂糖・タバコなどの原料が安価に供給され、輸出市場(インド・アメリカ・カリブ)も確保されていました。
貿易黒字が銀や資本をもたらし、それが国内産業投資に回りました。
フランスは大陸国家で、陸軍維持のための財政負担が大きく、また大陸の戦争に巻き込まれて資本が軍事に使われやすい傾向にありました。
④ 農業と労働力
イギリスでは農業革命(囲い込み運動)が産業革命に先立ってに進み、農業の余剰人口が都市に流入しました。これが産業労働者層になりました。
フランスは人口は多かったですが、農業は村落共同体意識が強固で、自由な労働移動が起きにくい面がありました。
⑤ 文化と実用志向
イギリスは科学や技術を工学や実用化に結びつける伝統がありました。
フランスでも科学技術は発展しましたが、宮廷や学術アカデミーに集中し、実用化や民間投資への接続は貧弱でした。
—
「産業革命=技術革新」ではありません。技術革新を社会全体で受け止める制度や金融の仕組みがなければ、大工場や大量生産には結びつきません。
「なぜフランスではなくイギリスで?」という問いは、世界史を考えるうえでの大きなテーマのひとつだと思います。
調べて感じたのは、技術革新は産業革命の「最後の引き金」に過ぎず、それ以前に金融制度と議会政治の発展という社会基盤があったのことが、イギリスとフランスとの間に大きな違いを生んだといえます。
イングランドではなぜ議会が早くに力を持ったのか?
文・M&C編集部
フランス史の特徴が中央集権化の早さだとすれば、イングランド史の特徴は議会の早期発展です。
なぜイングランドの議会だけが、他国よりも早く力を持ったのか? その要因をまとめました。
① ノルマン征服(1066年)以降の王権
ノルマン・コンクエストで征服王ウィリアム1世は、フランス系貴族を従えてイングランドを支配しました。
王は封建領主でもあり、全国の土地を再分配したため、国王と諸侯が直接契約関係にあるという構造ができました。
そのため大陸のような「地方領主の独立」が起きにくく、早くから王と貴族が直接交渉する場(評議会)が重要になりました。
これが議会の原型です。
② マグナ・カルタ(1215年)
ジョン王は戦争と失政で貴族から反発をくらい、王の権限を制限する「大憲章(マグナ・カルタ)」に署名させれました。
マグナ・カルタでは「課税には議会の同意が必要」「王の恣意的逮捕の禁止」などが規定され、後の議会制民主主義の基礎となりました。
他国では「王が課税権を握る」のに対し、イングランドでは早くから「課税は合議制」という原則が確立したのです。
③ 財政基盤の弱さ
イングランドはフランスほど豊かではなく、国王が戦争をするには必ず新しい課税を議会に認めてもらう必要がありました。
議会抜きでは財政を賄えない構造が、議会の発言力を高めました。
一方、フランスでは国王が税を徴収できたので、議会が力を持ちにくかったのです。
④ 身分制議会の発展(14世紀~)
聖職者・貴族・庶民(都市商人や地主)からなる「二院制議会」が成立しました。
特に下院(庶民院)が課税承認権を握り、国王と交渉する力を持ちました。
大陸では都市や市民層の発言力が弱いですが、イングランドでは早くから地主や商人が政治に参加したのです。
⑤ 王権と議会のせめぎ合い(17世紀)
エリザベス女王の死後、スチュアート朝の国王が絶対王政を志向します。
しかし議会は財政権を盾に抵抗し、やがて清教徒革命や名誉革命につながりました。
これにより、国王は議会の同意なく課税・法律制定できないという原則が確立しました。
議会主権が確立し、近代立憲君主制への移行です。
⑥ 地理的条件と安全保障
大陸諸国と違い、イングランドは島国なので常備軍を大きく維持する必要がありませんでした。
そのため国王の軍事独裁が生まれにくい傾向にあり、そのことが議会の存在をより強調しました。
フランスはなぜ絶対王政の時代に中央集権化を成し遂げられたのか?
文・M&C編集部
地理・社会・歴史的条件が絡み合っています。以下、順を追って説明しましょう。
1. 地理的条件 ― 「大河と平野の国」
フランスはヨーロッパで最も広い平原国家のひとつで、ロワール川・セーヌ川・ガロンヌ川などの大河が国内を結びつけていました。
山地に分断されやすいイタリアやドイツ、島国のイングランドに比べて、地理的に統一政権を築きやすかったといえます。
「交通のハブ」としてパリを中心に権力を集中できました。
中央集権化に有利な「地形の一体性」がありました。
2. 中世からの王権の連続性
フランス王家(カペー朝)は987年から王位を継承し続けました。
王位継承に不安が少なかったため、王権の正統性が強固になった傾向があります。
イングランドのように内乱や王朝交替で地方勢力が台頭することが少なかったです。
こうしたことが要因で、 王権が「国家の核」として長期に存続できました。
3. 百年戦争後の国民統合
14〜15世紀の百年戦争(対イングランド戦争)を経て、「フランス人」という国民意識が芽生えました。
戦時には、徴税制度・常備軍が発展しました。
イングランドを撃退したことで「国王=国家統合の象徴」という意識が広まりました。
4. 財政と軍事の近代化
15世紀末以降、国王は常備軍(王の軍隊)を保持し、地方貴族の私兵に頼らなくなりました。
さらに税制改革により、「王の直轄財源(直税・関税)」を確保します。
財政と軍事を王が掌握することで、貴族の自立性を弱められました。
国王が「武力と財政」を握ったことで、地方領主を凌駕しました。
5. 官僚制の発達
ルイ11世、ルイ13世、ルイ14世と続く絶対王政の君主たちは、教育を受けた都市出身の平民を官僚として登用しました。
貴族を排して「王に忠実な行政官」を地方へ派遣(監察官制度)しました。
この仕組みが、日本の明治維新の「知藩事から県令へ」の先駆けのような役割を果たしました。
6. 宗教とイデオロギーの支え
王権神授説(特にルイ14世の時代)をとなえ、「国王は神に選ばれた存在」と国民に周知しました。
ローマ教皇との対立を通じて「フランス国王=フランス教会の保護者」という立場も確立しました。
これによって、王権の正統性が宗教的にも補強されました。
最後に
日本との比較では、連邦制のように各地の大名を従えた徳川幕府よりも、ずっと「国王=国家そのもの」という性格が強かったのが特徴です。





