新春の漢詩 「京都元夕」 金 元好門
[訳:蓬田修一]
[漢文]
京都元夕 金 元好門
袨服華妆著処逢
六街灯火閙児童
長衫我亦何為者
也在游人笑語中
[書き下し]
京都元夕(けいとげんせき) 金(きん) 元好門(げんこうもん)
袨服(げんぷく)華妆(かしょう)著(いた)る処(ところ)に逢(あ)う
六街(りくがい)の灯火(とうか)児童(じどう)閙(さわ)ぐ
長衫(ちょうさん)我(われ)も亦(また)何為(なんす)る者(もの)ぞ
也(また)游人(ゆうじん)笑語(しょうご)の中(うち)に在(あ)り
[現代語訳]
京都元夕 金 元好門
晴れ着の人たちやきれいな化粧の人たちに、いたるところで出会う
都の大路には燈籠がきらめき、子どもたちで混み合い賑やかだ
私は丈の長い上着を着て、「何をしている人ですか」と問われれば
やはり、そぞろ歩く人たちや賑やかに楽しく話す人たちの中にいる
[ひとこと解説]
タイトルにある「京都(けいと)」は金王朝の都・汴京(べんけい 今の河南省開封)のこと。「元夕(げんせき)」は陰暦1月15日の夜。
承句の「灯火(とうか)」は燈籠の明かり。元夕になると人々は街に出て、燈籠見物をした。
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