【夏の和歌】いつしかと またく心(こころ)を 藤原兼輔(ふじわら の かねすけ)
こんにちは
宮川です。
今回も、夏の和歌を鑑賞して参りましょう!
牽牛が七夕のとき、天の川を渡れなかった和歌を以前、ご紹介しました。
今回も七夕にちなんだ和歌です!
いつしかと またく心(こころ)を 脛(はぎ)にあげて
天(あま)の河原(かわら)を 今日(きょう)や渡(わた)らむ
作者は平安時代中期の公家で歌人の藤原兼輔(ふじわら の かねすけ)です。
この作品は「古今和歌集」に収められています。
この和歌には「七月六日たなばたの心をよみける」という詞書がついています。
意味は、
今か今かと、気持ちがはやる
裾を上げて脛を出し、天の河原を今日もう渡ってしまおうか
「脛」は 「ハギ」と読みますが、意味は 「脛(すね)」のことです。
はやる気持ちを抑えきれず、七夕の一日前に天の川を渡って織姫に会いに行こうとする牽牛を想像して詠ったものです!
この和歌は「誹諧歌」に分類されています。
公の場にかなう「正格の歌」に対する「破格の歌」ということだそうです。
遊び的で知的技巧性が強く、口語、俗語も多用する「面白い」和歌です。
牽牛ってさあ、明日がデートなのに待ちきれず、ケツをまくって脛が見えるのもお構いなしに、天の川を渡ろうとしてるんじゃね?
てな感じで面白がってたのでしょうか?!
ちょっと礼儀正しくないけど、会いたくなったらいてもたってもいられない。
そんなところは、共感しちゃいますね!
いかがでしたしょうか?
これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!
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