雪の和歌 「あさぼらけ 有明(ありあけ)の月と」 古今集 坂上是則(さかのうえのこれのり)
[訳:蓬田修一]
大和国(やまとのくに)にまかりける時に、雪の降りけるを見てよめる
あさぼらけ 有明(ありあけ)の月と 見るまでに
吉野の里に 降れる白雪
古今和歌集 坂上是則(さかのうえのこれのり)
[現代語訳]
大和国(やまとのくに)に赴いた時に、雪が降ったのを見て詠んだ歌
夜がしらじらと明けるころ 有明の月が照っているかのように
吉野の里には 白雪が降っている
[ひとこと解説]
一句目のあさぼらけは、夜がだんだんと明けていくころ。
二句目の有明(ありあけ)の月とは、夜が明けてもまだ空に残っている月。陰暦二十日ごろ以降は、有明の月となる。
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