第1回「文章教室」を開催しました。

[text:蓬田修一][photo:宮川由紀子]

アットホームな雰囲気の中で開催
2016年11月25日土曜日、東京・大田区のきまぐれ八百屋だんだんにおいて、私(蓬田)が講師となり第1回目の「文章教室」を開催しました。

きまぐれ八百屋だんだんとは、有機野菜などを販売するかたわら、店内のコミュニティスペースで、教育、語学、美術などをテーマにした講座を開催しています。広い場所ではありませんが、参加者同士の会話が自然と生まれる、家庭的な雰囲気の場所です。

当日は男女合わせて7名が参加。年齢は40代からシニアの方でした。参加した動機は「地域のミニコミ誌に記事を書いているが、もっと文章のクオリティを上げたい」「子どもや孫にメールを出すと、いつも文章がおかしいと指摘される」「教育の問題に携わっている中で、文章の大切さを実感した」など様々でしたが、終始アットホームな雰囲気の中、行われました。

ワークショップ「美術ディスクリプション」
講座はワークショップを中心に進めました。今回実施したのは「美術ディスクリプション」というワークショップです。絵画作品を見てもらい、どのような情景が描かれているのか、文章で説明するというものです。美術館の学芸員は必須の技術であり、大学の美術関係の講義でも行うことがあります。ディスクリプションは美術関係者だけではなく、文章のトレーニングにも最適ですので、今回実施することにしました。

ディスクリプションの対象とした絵画作品は、ルノアールの「ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」。今年、東京・六本木の国立新美術館で開催された「ルノアール展」に出品されていた作品です。当日の講座では「ルノアール展」の図録にある「ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」を見ながら、ディスクリプションしてもらいました。

始めのうちは参加者の皆さん、どう書いていいかとまどっているようでしたが、間もなくペンを動かし始めました。15分ほど書いてから、自分の書いた文章を発表してもらいました。

他人の書いた文章を聞くというのは、とても刺激になり、インスピレーションが湧くものです。ディスクリプションは400字詰め原稿用紙に書いてもらいました。下にある原稿用紙の写真は、そのときに書いてもらったものです。本人の掲載許可をいただいたものを掲載しました。

文章クオリティアップのコツを伝授
皆さん、最初は「うまく書けない」など言っていましたが、人生経験が豊富なこともあるのでしょう、どの方の文章もとても素晴らしいものでした。厳密なディスクリプションは説明のみを書くもので、感じたことは書かないルールなのですが、今回のような参加者の場合は、自分の気持ちも書いていいとしたほうが筆が進むと考え、そのようにしました。

ひとりがディスクリプションを発表するたびに、参加者全員で意見交換をし、私からは文章のクオリティを上げるコツを話しながら進めていくと、2時間はあっという間に過ぎました。

次回は12月24日午後2時から4時まで、今回と同じくきまぐれ八百屋だんだんで開催します。次回もワークショップを中心に進める予定です。ワークショップの内容は現在、参加者により楽しんでもらえるような内容を準備中です。参加ご希望の方はメール(こちらをクリック)またはお電話(090-4364-6107)でお願いします。

次回の寺子屋スタイル「文章教室」 参加受付中!
日時
 2016年(平成28年)12月24日(土) 午後2時から4時まで 途中入退室可
講師 蓬田(よもぎた)修一
場所 気まぐれ八百屋だんだん(東京・大田区 最寄り駅:東急池上線 蓮沼駅 徒歩3分)
料金 500円(当日お支払い)
お申し込み・お問い合わせ 090-4364-6107 メールはこちらをクリック




Posted on 2016-11-28 | Category : ギャラリー, ニュース&メッセージ, ワンランク上の文章へ | | Comments Closed

寺子屋スタイル「文章教室」を開催します

2016年(平成28年)11月26日(土)、東京・大田区の気まぐれ八百屋だんだんで「文章教室」を開催します。

私からの一方的な「講義」ではなくて、参加者と私や参加者同士の「対話」、ワークショップ的な「体験」を重視した教室にしたいと思っています。寺子屋のようなイメージです。

料金はワンコイン(500円)です。

もっとうまく文章が書けるようになりたいと思っている人、仕事や学校で文章を書く必要があるものの、なかなか思うように書けない人、どうぞご参加ください。

寺子屋スタイル「文章教室」
日時
 2016年(平成28年)11月26日(土) 午後2時から4時まで 途中入退室可
講師 蓬田修一
場所 気まぐれ八百屋だんだん
お申し込み・お問い合わせ 090-4364-6107 yomo@mc-mc.co.jp




Posted on 2016-11-08 | Category : ギャラリー, ニュース&メッセージ, ワンランク上の文章へ | | Comments Closed

辞書機能を活用する

執筆するときは、ATOKなどの辞書機能をフル活用すると、執筆の速度が上がります。普段よく使う単語やフレーズは辞書に登録しておき、簡単なタイピングで変換できるにしておきます。こうするだけで、執筆の能率は格段に上がり、何度もキーを打つ面倒からも開放されるので、気分的にも快適に執筆できるようになります。

特にタイピングが面倒なカタカナ表記などは、辞書登録しておかないと、いちいちフルに打たなければなりません。打違うとひとつの単語を打つのも時間がかかるので、気持ちがいらついてきて、執筆の能率が下がります。




Posted on 2016-10-03 | Category : ワンランク上の文章へ | | Comments Closed

原稿フォーマットを作っておく

原稿のフォーマットを作っておくのは、能率的な執筆に効果的です。まっさらな何もない状態から執筆するのはなかなか大変です。1行の文字数と原稿の要素(タイトルなど)を打ち込んだフォーマットを利用するだけで、執筆のスピードがアップします。

まず1行の文字数を決めます。普段よく使うブログなどで、1行の文字数が決まっていれば、それにします。特にそういったものがなければ、自分で心地良く執筆できる1行の文字数に設定します。1行の文字数は長すぎても短すぎても書きにくいです。このあたりについては、別のエントリーで説明します。

例えば、こんか感じです。一般的な記事を書くとき、私が使っているフォーマットの要素です。

(タイトル)

(小見出し)

(本文)

(写真キャプション)

このように各要素を適当な間隔(行数)をあけてあらかじめ配置しておきます。こうした原稿フォーマットを作っておいて、執筆するときはこのフォーマットを利用するようにするだけで、筆の進みが速くなります。

本文を先に書き始めても構いませんし、タイトルが思い付いたら、とりあえず仮のものでかまわないので書いておきます。執筆を進めていくと、より適切なタイトルを思い付くことも多いので、適宜タイトルの文言を修正していきます。




Posted on 2016-10-03 | Category : ワンランク上の文章へ | | Comments Closed

1行13文字の原稿用紙

[text:蓬田修一]

世の中がデジタル化されない前、原稿は手書きでした。

雑誌や新聞は1行の文字数が決まっています。出版社には、媒体ごとに原稿用紙がありました。

私がかつて勤めていた出版社では1行11文字の新聞を発行していましたが、原稿用紙も1行11文字のものでした。

このような原稿用紙での執筆は、大変に書きやすいものです。

今はパソコンでの執筆に変わりましたが、掲載する媒体と同じ1行の文字数に書式を設定して執筆しています。


Posted on 2015-01-19 | Category : コラム, ワンランク上の文章へ | | Comments Closed

執筆中のBGM② インスト曲


[text:蓬田修一]

クラシック、ジャズはNG
執筆中にどんな音楽を聞いたら、原稿が進むのか? 前回はボーカルが入った歌ものについてでした。個人的な経験からは、日本語でも外国語でも、歌詞がある曲は執筆中には向かないということを書きました、では、ボーカルなしのインストものはどうでしょう。

まず、クラシック。交響曲はオーケストラの大音量が鳴るので向いていませんでした。クラシック音楽は交響曲に限らず、静かなイメージの曲でも、意外と音の存在感が強く、執筆の妨げになります。

天才と呼ばれる作曲家たちが作った曲ですから、メロディやハーモニーには、私たち一般の人の想像を超える力が備わっているのでしょう。静かな調べでも力があり、それを一流の演奏家が一流の楽器で奏でるのですから、小さな音でも圧倒的な存在感を感じるのだと思います。

次に、ジャズはどうか。ラグタイム、ニューオリンズジャズ、ビッグバンドジャズ、ビバップ、クールジャズ、フリージャズなどひとおり試してみましたが、どれもジャズ特有のスゥイング感が執筆の妨げになりました。

では、ジャズとロックとの融合のような形で生まれた、70年代~80年代に流行ったフュージョンはどうだったか。個人的には、クラシックやジャズほど執筆の妨げにはなりませんでした。

70年代~80年代のフュージョンを引き継ぐ音楽としてスムースジャズがありますが、こちらはさらに執筆の妨げにはなりませんでした。一時期、仕事するときのBGMとして、スムースジャズを流しっぱなしにしていましたが、とても快適でした。

最後に環境音楽と言われるようなアンビエントな音楽ですが、スムースジャズよりもさらに執筆の妨げにはなりませんでした。

私は仕事をしているときは、空間に音が流れているほうが気持ちが落ち着いて効率があがります。これからも自分にとって最適な音を探していきたいと思っています。


Posted on 2015-01-05 | Category : コラム, ワンランク上の文章へ | | Comments Closed

執筆中のBGM① ボーカル曲の場合


[text:蓬田修一]

原稿を執筆中、どんな音楽を部屋に流したら効果が上がるか、いろいろ試しました。その結果、分かったことがあります。まずボーカルが入った歌ものです。

日本語の歌詞の曲は、ポップス、ロック、歌謡曲などすべて執筆の大きな妨げとなります。耳から歌詞の言葉が入ると、日本語ですからその意味がほぼ100%理解できます。そうすると、執筆するための頭の中で考えている言葉とぶつかりあって、記事の構成を考えたり、文章をまとめたりすることができませんでした。

英語の歌詞の場合も状況は似たような感じです。基本的に英語の歌詞を聞き取ることはできないのですが、ロック、ブルース、ゴスペル、ファンク、ポップスなどジャンルを問わず、「耳から入った言葉(この場合は英語)と、頭で考えている言葉がぶつかりあって文章がまとまらない」という状況は、日本語の歌詞のときと同じでした。

カフェなどでも、お客同士の会話を妨げないよう、歌モノのBGMは、日本語、英語を問わず基本NGになっています。原稿執筆でも同じです。

ではインストもの(曲だけボーカルなし)の場合はどうだったかは、次回書いてみます。


 

Posted on 2014-12-30 | Category : コラム, ワンランク上の文章へ | | Comments Closed

「横書き」と「縦書き」 どちらが書きやすいか?


[text:蓬田修一]

執筆するとき、多くの場合が横書きだと思います。パソコンやタブレットでの文字入力と表示は横書きが基本ですし、雑誌も横書きが多く、ビジネス文書はほぼ100%が横書きです。

思えば、ワープロ、その後に続くパソコンの普及以前は、今ほど横書きが一般的ではなかったようです。手書き時代、出版物だけでなく、文書やメモでも縦書きは割と普通に目にしていた記憶があります。

さて、原稿の執筆にあたって、縦書きがいいか、横書きがいいかについてですが、媒体に掲載する予定であれば、媒体の体裁にあわせて書くのがいいと思います。そのほうが、私の場合は執筆が進みます。

編集者は、媒体の体裁を縦書きにするのか、あるいは横書きにするかのかについては、媒体のコンセプト、掲載記事の内容、読者ターゲット、媒体全体のイメージなどから総合的に判断します。

媒体はそうしたプロセスを経て制作されますから、執筆段階でも最終的な掲載体裁にあわせて作業を進めたほうが書きやすく、また媒体のイメージやコンセプトに一層沿ったものとなり、クオリティが高くなるというのが実感です。

一方、特に発表する媒体が決まっていないで執筆する場合は、縦書きでも横書きでも、自分が書き進めやすいほうで宜しいと思います。数字や英文字が多い文章では横書きが書きやすいでしょう。

経験から言いますと、執筆する内容にもよるかもしれませんが、縦書きのほうが筆が進みます。その理由は、日本語の特性から来てきるのだと考えています。

日本語は歴史的・伝統的に縦書きでした。日本語には漢字、ひらがな、カタカナがありますが、いずれの文字も上から下へと書きます。漢字でしたら、まず冠を書いてその下の部分を書きます。偏とつくりでできている漢字の場合でも、偏は上にある部分をまず書いてそれから下の部分を書きますし、つくりでも同様です。ひらがなとカタカナにおいても、上から下へ書くという事情は同じです。

日本語の文字には、英語などとは違い「上から下へ」という引力のようなものが働いています。そうした文字で構成される文章にも、「上から下へ」という引力があり、そのことが縦書きの書きやすさにつながっているのではないかと個人的には思っています。

縦書きしたときと、横書きしたときとでは、執筆する際の心理状態が意外と違うものです。普段、横書きしかしていなかった人も、ときには縦書きしてみると、新たな発見があるかもしれません。


Posted on 2014-12-19 | Category : コラム, ワンランク上の文章へ | | Comments Closed

字詰めは掲載媒体の体裁どおりに

[text:蓬田修一]

執筆するときのワープロあるいはテキストエディタの書式設定は、皆さんどうしていますか。私の経験からは、1行あたりの文字数を文章が掲載されるときと同一に揃えたほうが書きやすいです。

例えば、掲載されるときの体裁が1行あたり20文字なら、ワープロあるいはテキストエディタの書式設定もそれと同じにします。できたら縦書き・横書きも揃えます。

書式を揃えるメリットはいくつかありますが、そのうちのひとつは、自分が書いた文章の分量が一目で分かることです。例えば1行20行で100行書かなければいけないとき、書式を揃えたワープロやテキストエディタで執筆していれば、30行ほど書いたら「全体の1/3ほどの分量を書き終えた。残りはあと2/3」と進捗が把握できます。進捗が把握できると、原稿が完成するまで、あとどれくらい時間が必要かも見当がつきます。精神的にも進捗が分かったほうが安心するのか、執筆のスピードが上がることも多いです。

書式を揃えるもうひとつのメリットは、上記とも関連するのですが、書き進めている分量が把握できますので、執筆のために準備した手持ちの素材だけでは、分量が足りなくなりそうだとか、逆に手持ちの素材を全部書き込むと字数をオーバーしてしまうとか、目算が立てられることです。こうすることで、効率的に執筆が進みます。

(2014年12月19日)


 

Posted on 2014-12-19 | Category : コラム, ワンランク上の文章へ | | Comments Closed

今ある材料で執筆する


[text:蓬田修一]

執筆するにはリサーチが欠かせませんが、経験上、陥りがちなのが、リサーチ自体を目的化しがちなことです。

執筆しながら、あのことにも触れたい、このことも書きたい、などのアイデアが湧いてくるのはよくあることです。しかし、それらのことについてリサーチを始めてしまうと、リサーチ作業ばかりが増えて、いつになっても書き進められないという状況になりがちです。

そんなときは思い切って「今ある材料で書く!」と腹を決めて、とにかく書き上げることを最優先にするべきです。

追加リサーチがどうしても必要な場合を除いては、今手元にある材料で書き切る経験を積むことが、文章力を高めるには大事だと考えています。

(2014年12月18日)


 

Posted on 2014-12-18 | Category : コラム, ワンランク上の文章へ | | Comments Closed