「である調」と「ですます調」 どっちがいい?
[text:蓬田修一]
文章を書くとき「である調」にするか「ですます調」にするかは、とても大きな問題です。「である調」とは、例えば「A社は円高に苦しんでいる」、「ですます調」とは「A社は円高に苦しんでいます」と語尾が違うだけなのですが、読み手が受ける印象はまったく違います。「である調」はスピード感があり切れ味よく明快な印象、「ですます調」は柔らかく語りかけられているようで親近感のある印象です。
以前は「である調」の文章が多かったのですが、最近は「ですます調」で書かれた文章も大分増えてきました。特に、ブログやSNSが普及してからは「ですます調」の文章が増えている傾向にあると感じます。
「である調」にするか「ですます調」にするか、明確な判断基準はないのですが、ジャーナル的・レポート的な文章のときは「である調」、プライベートな内容のときは「ですます調」で書く傾向はあると思います。ただ、この傾向も今は崩れてきています。固い内容でも「ですます調」で書かれることは大変増えています。
このように今は「である調」でも「ですます調」でも、基本的にはどちらでも問題ないような状況なのですが、「である調」で書くときに気をつけたいとがあります。それは「である調」はえらそうな印象を与えてしまう可能性があることです。「である調」は文体上、「えらそう」「上から目線」になりがちですから、書くときは気をつけたほうがいいです。
書きやすさという点からいうと、「ですます調」のほうが断然書きやすいです。文章が書いたそばから、次から次へと出てくる感じです。文章を書くとき、誰かに話しかけるように書くと筆が進みやすいでのですが、「ですます調」は話し言葉なので、そのあたりが関係しているのかもしれません。短時間に大量の文章を書くには「ですます調」のほうが圧倒的に便利です。
(2014年12月16日)