【愛国の歌】ふる道に 二宮尊徳
ふる道に
つもる木の葉を
かきわけて
天照す神の
足跡を見ん
二宮尊徳
「ふる道」とは古代から今に生き続けている道、神道の道、すなわち惟神(かんながら)の道である。
「木の葉」とは、外国から入って来た教え、つまりは漢意(からごころ)である。
誰もが、特段に外国のことを勉強しなくても、知らず知らずのうちに外国の思想を良いものとして受けいれてしまう。
それが積み重なると、日本古来のよきものが隠れてしまって気づかなくなってしまう。
尊徳翁は当時のそういう風潮を憂え、自身をも戒めたのであろう。
この憂えは尊徳翁が生きた江戸時代だけでなく、明治から令和にいたる現在まで、連綿と続いている。
江戸や明治の時代は漢意が大きかったけれど、大和心も大きかった。
大東亜戦争に負け占領されて以降、大和心が小さくなってしまったぶんだけ、いまのほうが深刻だ。
漢意を勉強しどう日本に取り入れていくのかは永遠の課題である。
漢意を勉強して日本に取り入れるまえに、自分のなかにある大和心に気づき、大和心を軸としていないと、ふらふらしてしまうであろう。
軸がないふらふらした状態の人は、外から付け込まれてしまう。
異国の文化に接したとき、そのまま受け入れるのではなく、日本の国情、国柄にあわないものは受け入れず、日本の国柄にあうよう造りかえて、日本のものとするという態度が、古来から日本人が行ってきた漢意への対応であり、これからも必要なのである。
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