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【秋の和歌】秋(あき)来(き)ぬと 目にはさやかに 藤原敏行


皆様こんにちは
宮川です。

今回も、秋の和歌を鑑賞して参りましょう!

秋(あき)来(き)ぬと 目(め)にはさやかに 見(み)えねども 
風(かぜ)の音(おと)にぞ おどろかれぬる

作者は、平安時代前期の貴族・歌人・書家である藤原敏行です。

この作品は立秋の日に詠まれたもので、古今和歌集に収められています。

意味は

秋が来たと、はっきりと目には見えないけれど
風の音で(秋の到来に)はっと気づきました。

立秋は暦の上で秋が始まる日。陽暦の八月八日ごろで、令和二年(2020年)は八月七日でした。

「目に見える」ものと「音に聞こえる」ものとの表現の対比が鮮やかです。

目に見えないけれど、音で分かったということ、さらに、風に吹かれて体感的に秋を感じたのではなくて、「風の音」に秋を感じるというのは、とても理知的な感じです。

ところで、気象庁は最高気温が25℃以上の日を「夏日」、30℃以上の日を「真夏日」、35℃以上の日を「猛暑日」としています。

近年の夏は気温が上がり、「夏日」だと涼しいと感じるくらいです。

令和二年の夏も「猛暑日」が続いています。

最近、蚊がいなくなったなと思いましたら、本当かどうか分かりませんが、猛暑が原因らしいです。

これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!




Posted on 2020-08-17 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
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