Home > コラム, 和歌とともに > 夏の和歌 葉(は)をしげみ 外山(とやま)の影(かげ)や 藤原実方(ふじわらのさねかた)

夏の和歌 葉(は)をしげみ 外山(とやま)の影(かげ)や 藤原実方(ふじわらのさねかた)


こんにちは
宮川です。

今回も、夏の和歌を鑑賞して参りましょう!

葉(は)をしげみ 外山(とやま)の影(かげ)や まがふらむ
明(あ)くるも知(し)らぬ ひぐらしの声(こえ)

作者は、藤原実方(ふじわらのさねかた)です。

この作品は新勅撰和歌集に収められています。

意味は

葉が繁って外山の蔭の暗さを間違えているのだろう
夜が明けたのも知らないで鳴いているひぐらしの声

「外山」というのは、山の外側、人里に近い場所です。

「まがふ」は「紛う」で、「似ていて間違う」といった意味です。 

ひぐらしは、夏の夕方に鳴くイメージがありますが、夜明けにも鳴きます。

作者は、ひぐらしに「日暗し」を掛けて、日が明るくなったのに「日暗し」が鳴いていると、言葉遊びをしています。

歌から、まだ日が高く上らないうちの、涼しい朝の空気を感じました。

いかがでしたしょうか?

これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!




Posted on 2020-07-14 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
関連記事