Home > コラム, 和歌とともに > 【夏の和歌】ひさかたの あまつをとめが なつごろも 藤原有家(ふじわらありいえ)

【夏の和歌】ひさかたの あまつをとめが なつごろも 藤原有家(ふじわらありいえ)


こんにちは
宮川です。

今回も、夏の和歌を鑑賞して参りましょう!

ひさかたの あまつをとめが なつごろも
雲井(くもい)にさらす 布引(ぬのびき)のたき

作者は、平安時代末~鎌倉時代初期に生きた藤原有家(ふじわらありいえ)です。

この作品は新古今和歌集に収められています。

和歌の前に、「最勝四天王院の障子に、布引の瀧かきたる所」とあります。

意味は

布引の滝は、天女が夏衣を大空にさらしているようだ 

瀑布を天女が干す夏衣にたとえています。それだけ滝が大きく、白いという感じがしますね。

「ひさかた」のは天にかかる枕詞です。

「最勝四天王院」という寺院は、今はないのですが、襖には各地の名所が絵と歌で紹介されていました。

布引の滝の絵とともに、この和歌が書かれたのでしょう。

布引の滝は、神戸にある滝で名瀑として知られる名所です。

華厳の滝、那智の滝と並び、日本三大神滝とされています。

滝の周囲は飛び散る水滴やマイナスイオンで涼しさが感じられ、夏の人気スポットですね。

いかがでしたしょうか?

これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!




Posted on 2020-07-12 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
関連記事