夏の和歌 紫草(むらさき)の にほへる妹(いも)を憎(にく)くあらば
こんにちは
宮川です。
今回も、夏の和歌を鑑賞して参りましょう!
紫草(むらさき)の にほへる妹(いも)を憎(にく)くあらば
人妻(ひとづま)ゆゑに 我(われ)恋(こ)ひめやも
作者は、大海人皇子(おほしあまのみこ、後の天武天皇)です。
この作品は万葉集に収められています。
意味は
紫草のように匂い立つ、鮮やかで美しいあなたのことを嫌だと思うなら
人妻であるあなたを、どうして恋い慕いましょうか
これは前回ご紹介した額田王(ぬかたのおおきみ)の和歌
あかねさす 紫野行き 標野行き
野守は見ずや 君が袖振る
に返したものです。
ただただ、彼女に恋する気持ちが伝わってきます。
「人妻なのに恋慕う」というのも、私たち一般の「人の妻や夫に恋してはいけない」という常識を超えるレトリックかもしれないですね。
額田王、大海人皇子、天智天皇の関係は、私たちの人間関係では推し量れないものがあると思いました。
いかがでしたしょうか?
これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!
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