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【夏の和歌】天の川 浅瀬しら波 たどりつつ 紀友則(きのとものり)


こんにちは
宮川です。

今回も、夏の和歌を鑑賞して参りましょう!

天の川 
浅瀬しら波 
たどりつつ
渡りはてねば 
明けぞしにける

作者は、紀友則(きのとものり)です。

この作品は「古今和歌集」に収められています。

意味は

天の川の浅瀬を
白波をたどりながら
探していたら
渡りきらないで
夜が明けてしまった

七夕の織姫と牽牛の話がベースになっています。

1年に一度しか会えないチャンスに、牽牛は川の浅瀬が見つからず、渡れないうちに朝になってしまいました!

何ということでしょう!

牽牛はさぞがっかりしたでしょうし、自分をふがいなく思ったでしょう。

織姫は怒ったでしょうね。

「なんで下見してないの? 1年あったじゃん!」 

次回会うときにまず説教タイムです。

実はこの歌、宇多天皇の時代(寛平の御時)、七夕の夜に天皇から殿上人たちに歌を奉れと仰せつかったとき、詠んだものなんです。

たくさんの七夕の歌が献上されるので、友則はちょっとひねって考えたのかもしれませんね。

いかがでしたしょうか?

これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!




Posted on 2020-07-01 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
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