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夏の和歌 音羽山(おとわやま) こだかく鳴(な)きて 郭公(ほととぎす) 紀貫之


こんにちは
宮川です。

今回も、夏の和歌を鑑賞して参りましょう!

音羽山(おとわやま) こだかく鳴(な)きて 郭公(ほととぎす) 
君(きみ)が別(わか)れを 惜(お)しむべらなり

作者は和歌界のスーパースター、平安時代前期から中期にかけての歌人、紀貫之です。

この作品は「古今和歌集」に収められています。

意味は

音羽山の梢高く鳴くほととぎす
あなたとの別れを惜しんでいるよう

音羽山は京都の滋賀県大津市側にある山。

そのあたりでは一番高い山だそうです。

山のこずえで鳴くほととぎすの声はよく響きます。

リズムは、しゃくり上げるような感じです。

少女漫画にありそうですね。

旅立つ恋人を見送る途中、ヒロインの女の子が最後は明るくお別れしよう、とふるまっていると、音羽山の高いほうからほととぎすの声が聞こえてくる。

「鳴いてるね」
「夏だねえ」

とかほほえみあったりして、普通の会話はしている。

でも、心の中では、
「こんなやりとりもできなくなるなあ。山のホトトギスもあなたとの別れを惜しんで鳴いているようだ。あの声は私の心の悲しみの声」

みたいな?

和歌は想像力をふくらませて詠むと楽しいです。

いかがでしたしょうか?

これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!




Posted on 2020-06-26 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
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