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【夏の歌】夏の夜は まだ宵ながら 


こんにちは
宮川です。

今回も、夏の和歌を鑑賞して参りましょう!

夏の夜(よ)は 
まだ宵(よい)ながら 
明(あ)けぬるを 
雲(くも)のいづこに 
月宿(やど)るらむ

古今和歌集」と「百人一首」に収められてい和歌です。

作者は清原深養父です。清少納言の曾祖父です。

意味は、

夏の夜は、まだ夜が始まったばかりだと思っているうちに、明るくなってきてしまった
雲のどこに、月は宿をとって眠っているのだろう

「宵」は日が暮れてすぐ、夜の始めごろのことです。

「ながら」は同時進行・逆接の副助詞で「~でありながら」という意味です。

「ぬる」は完了の助動詞「ぬ」の連体形です。

この和歌には次のような詞書があります。

月の面白かりける夜、あか月方に、よめる

「面白かり」は、目の前がぱっと明るくなるような、明るく目がさめるような、という意味です。

この詞書から、この和歌は月が明るく美しく見えた夜、まだ夜明け前の暗い時に詠んだということがわかります。

あの明るくてきれいな月はどこの雲に宿っているのかというのは、擬人法的でユーモアを感じます

明るく輝く月を見ていて、楽しい気分になったことがあります。

月の光があまりに明るく照らして、建物などの影がくっきり見えたりして、夜ではないみたいでした。

この歌もそんな、寝るのが惜しいような月夜を詠んだのかもしれませんね。。。

いかがでしたしょうか?

これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!




Posted on 2020-06-20 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
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