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夏の歌 かまくらや 御(み)ほとけなれど  釈迦牟尼(しゃかむに)は


こにんちは
宮川です。

今回は、夏の歌の中から、イケメンが出てくる歌を鑑賞して参りましょう!

かまくらや 御(み)ほとけなれど 釈迦牟尼(しゃかむに)は 
美男におは(わ)す 夏木立(なつこだち)かな

作者は明治から昭和にかけて活躍した歌人・作家にして思想家、与謝野晶子です。

この歌は歌集「恋衣」に収められています。そして、大仏様のおわす鎌倉大仏殿高徳院に歌碑があります。

歌の意味は、

鎌倉よ。仏様ではあるけれど釈迦牟尼はとても美男でいらっしゃる。夏木立の中で。

というようなものです。

「釈迦牟尼」とは釈迦の尊称です。

「おはす」は尊敬語です。

この歌のすごいところは、お釈迦様を美男子と言ってしまったところだと思います。

それは畏れ多いことで、それまではなかった表現だったのだと思います。

それが当時は読む人を驚かせたのだと思います。

いまの私たちにも当然、響きます

いつの時代も、女性はハンサムかどうかが重要ですものね!

本当は大仏様は釈迦牟尼ではなく阿弥陀なのだそうです。

そんな間違いも通してしまうおもしろさが、この歌にはあるような気がしますがどうでしょう?

鎌倉は三方を山に囲まれ、一方を海に開いた古都。

かわいらしい江ノ電に乗って、お寺を回ったあと喫茶店に入って、お土産を見て、と楽しく観光した憶えがあります。

緑がうっそうとする夏に、鎌倉のイケメンをこの目で確かめに行ってみたいものです。




Posted on 2020-06-11 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
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