春の和歌 「君(きみ)ならで 誰(たれ)にか見せむ」 古今和歌集 紀友則(きのとものり)
[訳:蓬田修一]
梅の花を折りて人におくりける
君(きみ)ならで 誰(たれ)にか見せむ 梅の花
色をも香(か)をも しる人ぞしる
古今和歌集 とものり
[現代語訳]
梅の花を折って人に贈ったときの歌
あなたでなくて 誰に見せましょう 梅の花
色の素晴らしさも香りの素晴らしさも あなただけが分かるのですから
[ひとこと解説]
普通は梅の花の素晴らしさを詠うのだが、この歌のユニークなところは、梅の花を贈った相手の素晴らしさを詠っているところ。
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