新春の和歌 「音立てて 氷ながるる」 桂園一枝 香川景樹(かがわかげき)
[訳:蓬田修一]
音立てて 氷ながるる 山水に
耳もしたがふ はるは来にけり
[現代語訳]
山の川では解けた氷がぶつかりあいながら音をたてて流れている
その音は耳に心地よい 今年わたしは耳順(じじゅん)を迎えた
[ひとこと解説]
耳順(じじゅん)は論語にあることば。論語・為政(いせい)に「六十にして耳順(みみしたが)ふ」とある。六十歳になって、ようやく他人の意見に素直に耳を傾けられるようになったという意味。
香川景樹(かがわかげき)が六十歳を迎えた新春に詠んだ歌である。
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