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大晦日の漢詩 「除夜作」 盛唐 高適



[訳:蓬田修一]

[漢文]

除夜作  盛唐 高適

旅館寒燈獨不眠
客心何事轉凄然
故郷今夜思千里
霜鬢明朝又一年

[書き下し]

除夜(じょや)の作  盛唐 高適(こうせき)

旅館の寒燈(かんとう)独り眠らず
客心(かくしん)何事ぞ転(うた)た凄然(せいぜん)
故郷 今夜 千里を思う
霜鬢(そうびん)明朝(みょうちょう)又一年

[現代語訳]

除夜の作  盛唐 高適

旅館の明かり寒々と 眠れぬ夜をひとり過ごす
旅上のわが身 なぜかますます寂しさ募る
故郷を今夜 千里も離れた旅先から思う
霜のような白い鬢(びん) あすの朝またひとつ歳を重ねる

転句は、旅情にある作者が千里も離れた故郷を思うという解釈と、逆に、千里も離れた故郷に暮らす家族が、作者のことを思うというふたつの解釈がある。ここでは、前者をとった。


 

Posted on 2014-12-26 | Category : コラム, 漢文のこころ | | Comments Closed
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