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春の和歌 「君(きみ)ならで 誰(たれ)にか見せむ」  古今和歌集 紀友則(きのとものり)



[訳:蓬田修一]

梅の花を折りて人におくりける

君(きみ)ならで 誰(たれ)にか見せむ 梅の花
色をも香(か)をも しる人ぞしる  

古今和歌集 とものり

[現代語訳]

梅の花を折って人に贈ったときの歌

あなたでなくて 誰に見せましょう 梅の花
色の素晴らしさも香りの素晴らしさも あなただけが分かるのですから

[ひとこと解説]

普通は梅の花の素晴らしさを詠うのだが、この歌のユニークなところは、梅の花を贈った相手の素晴らしさを詠っているところ。




Posted on 2015-02-10 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
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