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【年末の歌】かぞふれば 年の残りも なかりけり 和泉式部


年の暮に身の老いぬることを歎きて、よみ侍りける

かぞふれば 年の残りも なかりけり
老いぬるばかり 悲しきはなし

(現代語訳)
数えてみれば、今年もわずか
こうしてまた一年が終わっていく
年を取ってしまうことほど、悲しいものはない

こんにちは 蓬田です!
この歌、女性の実感なのかもしれないですけれど、歌を聞いた人(特に男性)からのウケを狙ってるんじゃないかと思ったりもします。

今でいえば、ウケ狙いの自虐ネタというところでしょうか?

和泉式部は恋愛遍歴が多い人で、天然なのか努力して身につけたのかは分かりませんが、男からの関心を惹きやすい女性だったのではないかと、この歌から想像してしまいました。

妻にいわせると「そんなことはない!」「自虐ネタで男からの関心は引き寄せない!」と強く反論がありましたが。。。

今と違って、当時、和泉式部が活躍した環境は貴族サロンとかで、紫式部や清少納言のように、たちに囲まれて生活し歌を詠んでいた環境ではなくて、恐らく和泉式部のほかは男ばかりだったろうと推測しましたので、こんな風に考えたのです。

この歌は「新古今和歌集」冬の巻に収められています。

 




Posted on 2020-12-26 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
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