春の歌 「見わたせば 柳(やなぎ)桜(さくら)を」 古今和歌集 素性(そせい)法師
[訳:蓬田修一]
花ざかりに京を見やリてよめる
見わたせば 柳(やなぎ)桜(さくら)を こきまぜて
都(みやこ)ぞ春の 錦(にしき)なりける
古今和歌集 素性(そせい)法師
[現代語訳]
花の盛りに京を見おろして詠んだ歌
はるかに見渡すと 柳の青と桜の紅が 織りなされたよう
都こそが春の 錦であることよ
[ひとこと解説]
比叡山から平安の都を見下ろしたときに詠んだ歌であろうか。
こきまぜては、柳と桜とが織りなされたように一体となっている情景を言ったもの。「こき」は一面のという意味
柳の青と桜の紅が織りなす錦の色彩イメージがとても鮮やかである。
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