冬の和歌 「山里は 冬ぞさびしさ」 古今集 源宗宇(みなもとのむねゆき)
[訳:蓬田修一]
冬の歌とてよめる
山里は 冬ぞさびしさ まさりける
人めも草も かれぬとおもへば
古今和歌集 源宗宇(みなもとのむねゆき)朝臣
[現代語訳]
山里は 冬のさびしさが一段とまさるものだ
訪問者も絶え 草も枯れてしまったと思うと
[ひとこと解説]
「かれぬとおもへば」の「かれ」は、人目が「離(か)れる」と、草が「枯れる」のふたつの意味をかけています。人目が離(か)れるとは、訪問者が絶えること。
この歌は、山里に隠遁している人の気持ちを詠んだもの。自分自身が隠遁しているともとれるし、作者が隠遁している人の心境を思って詠んだとも考えられます。
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