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冬の和歌 「山里は 冬ぞさびしさ」  古今集 源宗宇(みなもとのむねゆき) 



[訳:蓬田修一]

冬の歌とてよめる


山里は 冬ぞさびしさ まさりける
人めも草も かれぬとおもへば

古今和歌集 源宗宇(みなもとのむねゆき)朝臣

[現代語訳]

山里は 冬のさびしさが一段とまさるものだ
訪問者も絶え 草も枯れてしまったと思うと

[ひとこと解説]

「かれぬとおもへば」の「かれ」は、人目が「離(か)れる」と、草が「枯れる」のふたつの意味をかけています。人目が離(か)れるとは、訪問者が絶えること。

この歌は、山里に隠遁している人の気持ちを詠んだもの。自分自身が隠遁しているともとれるし、作者が隠遁している人の心境を思って詠んだとも考えられます。


Posted on 2015-01-21 | Category : コラム, 和歌とともに | | Comments Closed
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