Home > コラム, 漢文のこころ > 春の漢詩 「山中送別」  唐 王維

春の漢詩 「山中送別」  唐 王維



[訳:蓬田修一]

[漢文]

山中送別  唐 王維

山中相送罷
日暮掩柴扉
春草明年緑
王孫帰不帰

[書き下し]

山中送別  唐 王維

山中 相(あ)い送りて罷(や)み
日暮(にちぼ) 柴扉(さいひ)を掩(おお)う
春草 明年 緑ならんも
王孫 帰るや 帰らずや

[現代語訳]

山中での見送りを終わらせ
日暮れに柴の戸を閉める
春の草は来年も緑になることだろうが
貴兄は(奥さんのもとへ)帰るのだろうか 帰らないのだろうか

[ひとこと解説]

結句の王孫は相手の尊称のことだが、ここでは山中にいる作者自身を指していると解釈したい。




Posted on 2015-01-18 | Category : コラム, 漢文のこころ | | Comments Closed
関連記事