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アメリカの歴史


18世紀中頃、ヨーロッパでは宗教弾圧、貧困、政治問題などで苦しむ人がたくさんいた。
彼らはアメリカ大陸に移住した。

アメリカ大陸には先住民が暮らしていた。
移住したヨーロッパ人は先住民を虐殺しながら、居住地を広げた。

アメリカ大陸東部に、150万人のイギリス人が住んだ。
イギリス人居住地の北部では漁業が行われた。
南部ではタバコ、綿、米などが栽培された。

イギリス人はアフリカから黒人をアメリカ大陸に連れてきて奴隷にした。
奴隷がとった魚や、奴隷が栽培した作物はイギリスに運ばれた。

イギリスで生産された雑貨や武器はアフリカに運ばれた。
アフリカ、アメリカ大陸、イギリスを奴隷、作物、雑貨や武器が循環する三角貿易が行われた。

アメリカ大陸のイギリス植民地西方にはアパラチア山脈が連なっている。
山脈の西はフランスの植民地だった。
ここでは主に毛皮を生産していた。

イギリスとフランスとの間で緊張が高まった。
七年戦争が起きた。
イギリスが勝利した。
イギリスはフランス領土を奪った。

アメリカ大陸の先住民は団結して、イギリス人を追い出そうとイギリスと戦った。
イギリス政府は先住民が住む地域を定めて、事態を収拾しようとした。

アメリカ大陸に住むイギリス人は、西に領土を広げたかった。
彼らにとって、本国政府が決めた先住民居住地は、領土拡大にとって邪魔だった。

イギリス本国はフランスとの戦争で経済が疲弊していた。
アメリカ植民地に重税を課した。
入植者は不満を募らせた。

入植者はもともとイギリスから来た人なので、紅茶を飲む習慣があった。
イギリスは、自国の東インド会社がアメリカ植民地へ茶を独占販売することを認めた。

入植者は東インド会社が販売する値段の高い紅茶を買わされることになった。
入植者のあいだに、イギリスに対する不満が高まった。

急進派は、北部のボストン港に停泊していた東インド会社船を襲い、積み荷の茶箱を海に投げ入れた。
のちにボストン茶会事件と呼ばれる事件だ。
植民地とイギリスとの緊張が高まった。

12植民地の代表者がフィラデルフィアに集まった。
第一次大陸会議を開催した。
イギリス製品不買運動を決めた。

独立を支持する愛国派が独立戦争を始めた。
1776年7月4日、第二次大陸会議が開催された。
アメリカ合衆国の独立を宣言した。

フランスは七年戦争の敗北を雪辱する機会をうかがっていた。
アメリカ側について、イギリスと戦うことを決めた。
スペインとオランダはイギリスと対立していた。
両国はイギリスに宣戦布告した。

アメリカが勝利した。
イギリスはアメリカ独立を認めた。
アメリカはミシシッピ川まで領土を広げた。
スペインはフロリダを獲得した。

アメリカは三権分立で国家を運営した。
13州もそれぞれに主権を持ち、それぞれに憲法を制定した。
首都ワシントンDCがつくられた。

アメリカ人は西へ領土を拡大させた。
先住民をさらに西を追いやった。

フランスは1800年、それまでスペイン領土だったルイジアナをエトルリア王国との交換で獲得した。
フランスは本国から遠く離れたルイジアナを十分に経営できなかった。
いつかイギリスに奪われてしまうのを懸念した。
アメリカにルイジアナを売却した。

ヨーロッパではフランスとイギリスが争っていた。
当初、アメリカは中立を保った。
戦争が進むにつれて、北部のイギリス領土を奪う好機と捉えた。
参戦した。
カナダ植民地を奪おうと戦ったが失敗した。
アメリカは北部の領土を諦めた。

南部への領土拡大に方針転換した。
スペインは国力が弱っていたためだ。
スペイン領のフロリダに進攻して、アメリカに併合した。

西部のオレゴン地方はアメリカとイギリスが共同管理していた。
ミシシッピ州東部には先住民が暮らしていた。
アメリカは先住民居住地を没収した。
先住民を西部に追いやったが、多くの先住民はその過程で行き倒れとなった。

メキシコ領土のテキサスは、アメリカからの移住者が多く住んでいた。
メキシコから独立した。
間もなく、アメリカに併合された。

アメリカとメキシコとの国境線はあいまいであった。
国境線をめぐって、戦争が起きた。
戦いを優勢に進めていたアメリカは、ニューメキシコとカリフォルニアをン併合した。

カリフォルニアで金鉱脈が発見された。
人々は金を求めてカリフォルニアに押し寄せた。
東海岸から海を渡ってカリフォルニアに向かう人もいた。
その人たちのために、中間地点のパナマでは鉄道が建設された。
カリフォルニアには奴隷制はなかった。
アメリカでは珍しいことだった。




アメリカ南部は農業が盛んだった。
奴隷が働いていた。
北部は工業化が進んだ。
奴隷制の廃止も進んでいった。

南北それぞれが、自分たちのやり方を西部に広めたいと考えていた。
西部での軋轢が高まった。

エイブラハム・リンカーンが1860年、大統領に就任した。
リンカーンは奴隷制に反対だった。
リンカーンは北部出身だった。
北部は工業が発展しつつあった。
工場での働き手が足りなかった。
リンカーンは奴隷を解放して、北部の工場で働かせたかった。
黒人の人権問題から奴隷制に反対していたのではなかった。

リンカーンの反奴隷政策に反対する南部の各州は、アメリカ合衆国を脱退した。
南部各州は奴隷を使って、農業を続けたかった。
南部各州はアメリカ連合国を結成した。
アメリカ合衆国とアメリカ連合国との戦いとなった。
アメリカの内戦、南北戦争である。

北軍は大西洋沿岸を封鎖した。
南部が物資の輸入や綿花の輸出をするのを阻止した。
戦いは北軍が勝利した。
奴隷制は廃止された。
350万人の奴隷が解放された。

南部で白人至上主義団体KKKが生まれた。
奴隷から解放された黒人は差別された。
多くの黒人は北部へ移住していった。

アラスカはロシア領土だった。
イギリスに奪われるリスクがあった。
ロシアは奪われる前にアメリカに売却した。

アメリカ大陸では、西部開拓を加速させるため、大陸横断鉄道の建設に力を入れた。

中部は農業機械の発展によって、穀物生産が大きく伸びた。
小麦、とうもろこしなどが生産された。
アメリカ大陸は発展していった。
多くのヨーロッパ人は、アメリカ大陸に憧れた。
貧困や宗教迫害に苦しむ人たちなどがアメリカ大陸に移住した。

多くの人が移住したが、豊かになれた人は少なかった。
ごく少数の人たちが経済界を仕切っていた。
鉄鋼、鉄道、石油、銀行などの分野では、ごく一部が大富豪となった。
女性や子どもを含む多くの人は、低賃金で働いた。
労働環境を改善する運動は起きたが、警察や民兵によって鎮圧された。

ヨーロッパ各国は世界に植民地を作っていった。
アメリカも国外に勢力を広げていった。
ハワイを併合した。
内戦で国が疲弊していたキューバに干渉した。
キューバでアメリカは、スペインから独立しようとする勢力を支援した。
アメリカ軍の船がハバナ港で爆発した。
アメリカはスペインの謀略と考えた。
スペインと戦争となった。
米西戦争である。

アメリカが勝った。
アメリカはキューバを独立させた。
プエルトリコ、グアム、フィリピンなど、ほぼすべてのスペイン領を奪った。
アメリカも帝国のひとつとなった。

コロンビアでは企業が運河建設に着手した。
アメリカがこの事業を買収した。
パナマ運河を完成させた。

ヨーロッパで第一次世界大戦が起こった。
労働者が徴兵され戦場に赴いた。
各国の産業は落ち込んだ。

アメリカは参戦していなかった。
この機に、弾薬、食料、衣類、クルマなどを各国に売り大きな利益をあげた。

ドイツはヨーロッパへの物資の流れを絶つため、海上封鎖で対抗した。
イギリス海域でアメリカの商船を撃沈した。

ドイツがメキシコにアメリカを倒そうと持ち掛けていたことが発覚した。
アメリカは参戦した。
200万人が戦線に送られた。
11万人が命を落とした。

協商国が勝利した。
ヨーロッパ中の国々がアメリカに借金を負うこととなった。

アメリカ経済は好調を極めた。
工場の生産力は上がっていった。
製品の流通量が増え、価格が下がった。
クルマ、家電、金融商品が売れた。

ハリウッドが世界に誇る映画の街として確立した。
ラジオが普及した。
ジャズが流行った。
ニューヨークではナイトクラブが増えた。
アルコールの流通量が増えた。

人々は、お酒は悪魔の飲み物と考えていた。
政府は禁酒法を制定した。
密造酒がたくさんつくられ、全国に密売所が増えた。
マフィアは密造酒の販売で利益をあげ、勢力を拡大させた。

農業が盛んな南部は、農産物の価格が下落して経済が落ち込んだ。
KKKが黒人だけでなく、カトリック教徒、ユダヤ人、移民を攻撃の対象として、活動を活発化させた。
KKKメンバー数は500万人になった。
白人のプライドの拠り所となった。

ウォール街で株価の大暴落が起こった。
アメリカ経済は一気に崩壊した。
1929年のことであった。
企業が次々と倒産した。
人口の4分の1が失業した。

禁酒法は廃止された。
経済の活性化と労働条件の改善が図られた。




ヨーロッパで第二次世界大戦が始まった。
アメリカは中立の立場を取った。
イギリスやロシアに武器を輸出して支援した。
日本に対して、鉄鋼と石油の輸出をストップした。

日本が真珠湾のアメリカ軍基地を攻撃した。
アメリカは連合国側で参戦した。
1945年、ドイツが降伏した。
アメリカはソ連と協力して日本を攻めた。
ソ連は満州へ侵攻した。
アメリカは原爆を広島と長崎に落とした。
日本は降伏した。

アメリカは国際連合を設立した。
ヨーロッパは戦争で疲弊した。
アメリカとソ連が台頭した。

両国はヨーロッパを自らの勢力下に置こうと競った。
アメリカは、西ヨーロッパに資金援助することで勢力を拡大させた。
ソ連は、東ヨーロッパに共産主義政権を樹立させ、勢力を拡大させた。
冷戦の時代となった。

アメリカは戦争で受けた被害がほかの国より小さかったため、産業、経済、軍事などあらゆる面が発展した。
政府内の共産主義支持者が解雇された。
ハリウッド映画を、反共産主義思想を広めるために活用した。

アメリカは共産主義政権が広まらないよう、ギリシア、中国、朝鮮、ベトナムなど世界各国の政治に介入した。

ソ連は世界初の有人宇宙飛行を成功させた。
アメリカはNASAを立ち上げ、月面着陸を目指した。

ソ連はキューバにミサイル基地を建設し、至近距離からアメリカを攻撃できるようにした。
アメリカとソ連の緊張はピークに達した。
ソ連はキューバからミサイル基地を撤去させ、戦争の危機は回避された。

黒人差別を問題とする公民権運動が活発化した。
社会での男女平等を求める声が高まった。
先住民はよりよい環境を求めた。
反ベトナム運動が高まった。
1969年、世界初の有人月面着陸を成功させた。
テレビが普及し、多くの人が月面着陸の様子を見た。

中国と関係を深めた。
ソ連との軍拡競争は抑えた。
第四次中東戦争に参戦し、イスラエルを支援した。

アラブ諸国はアメリカへの石油輸出を禁止した。
ベトナム戦争から撤退した。
ベトナムは社会主義の国になった。

ソ連はアフガニスタンを社会主義国家にするため軍事進攻した。
アメリカは反共産勢力を支援した。
ニカラグアやグアテマラなどの政治に介入した。
これらの国でも共産主義勢力を抑えた。

イランで革命が起き、親米政権が打倒された。
アメリカは石油利権を確保するため、中東各国へ軍事介入した。

ソ連は東ヨーロッパの国々における民主主義革命を抑えた。
ソ連は、軍事費がかさんだことなどで経済は破綻した。
改革するが失敗した。
ソ連は崩壊した。

アメリカ国民は、政府に貧困層への支援、ギャング、麻薬への対策を求めた。
政府は内政より外交に力を入れた。
世界の警察になることを目指した。

イラクが、世界石油埋蔵量の9%を占めているクエートに侵攻した。
アメリカは多国籍軍を組織して、イラクを撤退させた。

世界の平和を脅かしている国家を名指しして、ならず者国家と批判した。
それらの国々に経済制裁を課した。

世界中にあるアメリカの財産は過激派の攻撃対象となった。

アメリカは2001年、同時多発テロが起きた。
テロリズムとの戦いが始まった。
テロ組織は国家と違い抑え込むことは困難だった。
アフガニスタンでイスラム原理主義タリバンとの戦争を始めた。
北朝鮮、イラン、イラクを悪の枢軸と名指しして、経済制裁を課した。

イラクに戦争を仕掛け、サダム・フセイン政権を転覆させた。
中東各地でイスラム勢力と戦った。

2007年、サブプライムローン問題から金融危機が起こった。
シェールオイルで経済を回復させようとした。




Posted on 2024-01-06 | Category : コラム, 歴史の館 | | Comments Closed
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