行き詰まったら、パッとやめる
[text:蓬田修一]
文章を書いていると、これまで順調に書き進んだのに、突然、筆が止まってしまうことがあります。「うまい表現が思いつかない」「どう書いていいのか分からない」「書いた文章が面白くないと思えてきた」など、理由はそのときによってさまざまです。
経験上こういうときは、無理に文章を書き進めようとせずに、思い切って一旦書くことを止めてみたほうがいいようです。1時間でも半日でも1日でも、状況に応じてある程度時間をおいてからまた続きを書くと、すらすらと書き進めることができることが多いです。
書いていて壁に突き当たったら、うんうん唸らないで、書くことからパッと離れること。文章を書き進めるときのコツです。
(2014年12月4日)
文章クオリティアップ いちばん簡単な方法 2
[text:蓬田修一]
先日「文章のクオリティをあげる一番簡単な方法」と題して記事をアップしました。きょうは「その2」として、もうひとつの方法をお話ししたいと思います。
先日は、原稿が書き上がったら時間を置いてもう一度読み返すことをお伝えしました。きょうお話しするのは、自分で読み返すのではなくて、可能ならば他の誰かに読んでもらうといいということです。他人に読んでもらうと、自分では気付かない部分を指摘してもらえます。経験上そういうことがとても多いです。
他の人に読んでもらうときは、とりあえずは「読んで分かりにくいところを指摘してほしい」とお願いするのでいいと思います。相手が読み終えたら「どこが分かりにくかった?」と聞いて、指摘してくれた部分を確認します。たいがいは、使っている言葉が難しすぎる、文章が長すぎて意味がつかみにくい、文と文のつながりが悪い、などが分かりにくい原因です。
ときには、自分では思いもよらないところを「分かりにくい」と指摘されることもあります。私はこういう指摘が大好きです。新しい発見をしたような気持ちになるからです。
注意したいのは、指摘されたとき、間違っても「私の文章が分からないか?」と感情的にならないこと。指摘されると、自分を否定されたようで感情的になる気持ちも分かりますが、ここは謙虚に、真っ白な気持ちで相手の指摘に耳を傾けることが大事です。
(2014年12月3日)
文章力アップ いちばん簡単な方法
[text:蓬田修一]
私が考える「文章のクオリティをあげる一番簡単な方法」についてお話したいと思います。
それは「書いた文章を時間をあけて読み返す」とことです。例えば、夜書き上がった文章は翌朝読み返す、朝書き上がった文章はその日の午後に読み返します。文章を書き終えたら、ある一定時間、文章を寝かせて、それから文章を読み返すようにするといいと思います。
読み返すときは、主に以下の点について検討、修正します。
・文字の誤字、脱字
・事実関係の誤認
・読んだ人にとって分かりにくいところを、分かりやすく書き直す
・文章の“ねじれ”を直す。ねじれとは、主語と述語が対応していないことです
短時間でもいいので、これを実行することをお勧めします。そうすれば、文章のクオリティは必ず上がります。
文章を“寝かす”時間は、できればひと晩ほしいです。人は睡眠を取ることで頭と気分がリセットされ、自分が書いた文章を、読み手の立場に立って読むことができるからです。
文章をひと晩寝かせるためには、締め切りより最低でも1日早めに文章を書き上げないといけません。執筆するときは、最低でも1日の余裕をもって計画を立てるのがよろしいかと思います。
準備8割、執筆2割
[text:蓬田修一]
私が原稿を書くとき、時間的に執筆に当てるのは全体の2割程度、残りの8割が執筆前の準備です。
執筆前の準備には、これから書くテーマについてのリサーチ、資料の収集、取材する場合は取材アポを取ってインタビューすること、その後のインタビュー音声の確認などです。
これらの準備に当てる時間が全体の8割で、執筆する時間は2割です。しかも、実際に執筆するのはその半分の時間です。残りの半分は執筆した内容の推敲です。つまり、本当に執筆する時間は、全体の1割程度ということになります。
もしあなたが「何か書きたくても、何をどう書いていいのか分からない」と悩むことがあったら、それは執筆のための準備が足りないのかもしれません。
まずは書きたいテーマについて、サイトで検索してみる、関連図書にあたる、関係者に聞いてみる、などをしてみて、テーマについての「素材」を集めてみたらいかがでしょうか。
(2014年12月1日)