【第119回】ICTキャンパス 獨協大学「生成 AI時代に成績をどう評価するか」 2024年4月15日
現在、生成AIを授業や試験などでどう扱うかは、大学や学部、教員により考え方は様々だ。ドイツ語の授業において生成AIを導入した木村佐千子教授(外国語学部ドイツ語学科)に生成AIが成績や学び方に及ぼす影響について聞いた。
実験授業として生成AIを使ったドイツ語学習を行った
基礎部分は電子機器なしで試験
「まず前提として、生成AIを学生が提出物に使用したかどうか、確実に判定できるツールは現在のところありません。教員側が不確実なツールを使い誤った判断をすることは避けたい」と話す。
2023年7月、自身が作成した様々な問題形式による試験をChatGPT-4に解かせたところ、学生よりも高得点となった。
こうした経験などから、電子機器の持ち込みを認める対面試験や監視なしのオンライン試験について「外国語の基礎文法や基本語彙、各分野の基礎知識など身に付けてほしい基礎の部分は、電子機器の使用を禁止した対面試験が良いと考えています。そうすることは、学生の自律的学習にもつながるでしょう」という。
課題として出すことが多い要約、意見をまとめるなどの外国語作文はどうか。
これについては自宅で生成AIを使うことを仮に禁止したとしても、また、もし学生がAIが生成した内容をコピー&ペーストして提出しても、提出物からその利用を教員側で明確に判断することはできない。
そこでたとえ短時間であっても授業内で電子機器を使わずに要約や作文の課題に取り組むことが学生の力を伸ばすことにつながると考えている。
アクティブラーニングで生成AIを活用する
一方で、生成AIは処理が速く多機能で、学生がツールとしてうまく活用すれば、より質の高い成果につながる点も指摘。
「これからは社会に出ると生成AIを使う場面も多いと思います。レポートを書くときにAIを適切に活用することは、より質の高い成果を出す経験が積める機会だといえます。学生時代に使い方のコツや注意点・限界などについて体験する機会を持つことは有意義でしょう」
そこでAL(アクティブラーニング)型授業のグループワークで生成AIも活用し、中間発表をしてフィードバック結果を取り入れた内容のレポートを作成。学期末にはプレゼンテーションと口頭試問を行う流れを提案する。
語学においてすべての授業をAL型にすることは難しいが、受講人数や授業の目的などを考え、課題を①成績に関係する試験や提出物で生成AIを使わせないようにする方向と②生成AIの使用を認め、AIを使ってこれまでより質の高い成果を生み出させる方向の2つに分け、学生に方針を示したうえで成績評価していくと良いのではないでないかと考えている。
理解度と実力を高める生成AI活用を
学生の日常的な生成AI活用についてはどうか。
「課題で分からないところを質問したり、レポートのテーマを絞り込む相談をしたり、文章の添削をさせたり、外国語会話の練習相手にするなどの生成AI活用が考えられます。学生には、生成AIを自分自身の理解度と実力を高めることに活用してもらいたい。自分が好きで得意なことを追求していくことで、積極性や自己肯定感を高め、変化の激しい時代を明るく前向きに乗りきってほしいです」
知識や情報を得るだけであれば、生成AIやインターネットで充分だと考える人は増えるだろう。「こうした時代だからこそ、人間同士の交流を大切にし、人間の教員にしかできない教育をしていきたい」と語った。
【獨協大学】
起源は1883(明治16)年に設立された獨逸学協会学校。ドイツの文化や学問体系を導入し、ドイツからも教員を招聘して合理的・実学的な教育により各界へ人材を輩出。大学としての開学は1964(昭和39)年2学部3学科で出発。現在は外国語学部、国際教養学部、経済学部、法学部の4学部11学科及び大学院を擁する。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年4月15日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第118回】ICTキャンパス 近畿大学「学生と社会の接点つくるVTuberゾンビ先生」 2024年3月7日
授業動画の作成過程でVTuberを知る
近畿大学総合社会学部の岡本健准教授は、自身がVTuber「ゾンビ先生」となり、YouTubeで動画投稿や配信を行いながら、教育や研究を進めている。
専門はメディア、コンテンツ、ツーリズムの3領域。近年は書籍「ゾンビ学」を出し、ゾンビ先生として各種メディアで活躍。ゾンビ研究家としても知られている。
VTuber(Virtual YouTuber)とはCGキャラクターの動きや音声と合わせて動画配信や投稿を行う人を指す。
岡本准教授がVTuberとなった背景や理由はいくつかあるが、その中でもコロナ禍は大きなものだった。
コロナ禍となり、遠隔授業の必要に迫られた。教材動画を作ってアップロードしたが、当初、動画クオリティーに満足できなかったという。「これを見せられる学生は不憫だ」と感じた岡本准教授は動画の画質や音声などを改善したが、自分自身をどう映したらいいのか悩んでいた。
そんな時に知り合いの司書が女子高生アバターとなって動きながら話している動画と出会った。それがきっかけとなり、VTuberとして授業動画を収録・配信するようになった。
ゾンビ先生の『YouTubeゾンビ大学』
YouTubeで研究発表 コメントで学生が成長
「ゾンビ先生の『YouTubeゾンビ大学』」では、大学の講義、ゼミ生たちによる研究成果発表、トークイベント、ゲーム実況動画などを行っており、視聴者層は学生から社会人まで幅広い。
他大学の教職員も視聴しているという。学生が発表しているときも視聴者からの意見がチャット欄に投稿され、学生はその意見を次の発表の参考にするなど、YouTube上での発表が学生の発表内容やスキルの向上につながっている。
「YouTube配信はチャット欄でリアルタイムで質問を受け付けられるのがとても良いと感じています。一般の方からも質問が届くので、学生たちも研究発表をするときの緊張感が違います。準備にも力が入るようです。終わった後は非常に良い表情をしています。正のスパイラルが回っている感じで、やって良かったと思っています。チャット欄はとても穏やかで、専門的な知識を持った方も多く、私自身教えて頂くことが多いです。まさに情報空間上にある『ゼミ』『大学』という感じです」
YouTubeには授業動画やレポート・卒論の書き方の動画もアップしており、学生からは「授業で聞き逃したところをいつでも聞き直せる」「レポートの書き方の動画を何回も見て、満足のいくレポートが書けた」「自由度が高いので、学習をコントロールするのに苦労したが、その力が身に付いて良かった」と好評だ。
講義やレポート・卒論の書き方の動画もアップ
情報社会の特性を理解して 幸せに暮らすために
YouTubeでの配信・投稿は、大学を社会に開く可能性も感じているという。
「社会とのつながりが断たれると学生は『先生に従うことが正義』という感覚になってしまうことがあります。リスクをうまくマネジメントしながら、学生と一般社会との接点になれればと思っています」
VTuberについては、見た目や年齢、立場に関係なく、色々なことにチャレンジできる点が良いという。
「今後メタバースが今よりも簡単に実装できるようになったら、多くの人がアバターをまとって活動するようになるでしょう。これからはVTuberとしてネット上に登場することが当たり前になっていくかもしれません」
メディア・リテラシーについては「受け手としてのリテラシーも重要ですが、もっと前向きな、送り手としてのリテラシーも必要です」と強調。
「YouTubeで研究成果を発表するとなると、指導教員だけでなく、一般の人々にも話が伝わるように工夫することになります。情報社会にの特性を理解した上でどうすれば人々は幸せに暮らせるのか、それを考えながら実践しています。学生たちにも問題意識を持ちつつ前向きに建設的に生きてほしいと考えていますし、それを伝えるための教育としたいと考えています」
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年3月7日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第117回】ICTキャンパス 新潟大学「アニメ中間素材をDB化 貴重な資料世界でもまれ」 2024年2月5日
アニメ研究における一級の歴史的資料
新潟大学は、人文学部、法学部、工学部、医学部など10学部を擁する総合大学である。旧制新潟医科大学と旧制新潟高校を核に、師範学校や各種専門学校が統合し、1949年5月に設置された。2024年は創立75周年にあたる。
同学は、世界に類をみないアニメ中間素材データベースを16年に構築。総合大学であることの強みを活かしたアニメ研究が行われている。
中間素材とは、脚本、絵コンテ、原画、セル画など、アニメ完成に至るまでに必要な素材群のことだ。これらは、作品完成後は散逸してしまう傾向にあった。
本データベースは、70年代から90年代にかけて活躍したアニメ演出家、渡部英雄氏から寄託された中間素材群「渡部コレクション」がもととなっている。
本コレクションにはアメリカや韓国をはじめとする海外アニメ産業との受発注関連素材も多く含まれており、アニメ制作会社も保有していない貴重な中間素材もあることから、アニメ業界からも高い評価を得ている。
同学のアニメ・アーカイブ研究チーム共同代表であり、アジア連携研究センター長である石田美紀教授は「セル・アニメ制作が発展し成熟を迎えた70年代から、アニメが子供向けの娯楽にとどまらず、日本社会全体に浸透していった90年代に産出された多種多様な中間素材は、アニメ制作の様々な段階におけるスタッフの協働作業の実態を証明するもの。こうした素材は、世界における日本のアニメ産業の位置を示すもので、グローバルに成長したアニメを産業形成という視点から理解するうえでも有効な資料であり、アニメ研究における第一級の歴史的資料となります」と指摘した。
渡部コレクション 絵コンテ表紙
アニメ研究は科学技術と不可分
渡部コレクションには半世紀近く前の中間素材も含まれており、劣化しないよう、すべての素材はスキャニングしデジタル化を目指している。
データベースは、情報工学の専門家である同学の今井博英准教授と同研究チーム共同代表を務めるキム・ジュニアン准教授が独自に構築。
「アニメ研究というと、人文系が中心を担うイメージがありますが、アニメは科学技術と不可分の分野です。アニメを理解するには、技術的な視点も不可欠だと考えています」
アニメ・アーカイブ研究チームには、情報工学の専門家だけでなく、セル画の保存を研究している高分子化学の専門家も参加している。
データベースの主な利用者は、研究者、中間素材の著作権者であるアニメ制作会社、アーキビスト(価値ある資料を保存・管理する専門職)たちだ。
本コレクションの利用については、図像は登録者のみ閲覧可能だが、テキスト版はネット上からログインなしで誰でも利用できる。
既にコレクションの中間素材を分析する論文や書籍が、日本語、英語、スペイン語などで書かれ、学会からも高く評価されている。海外からの問い合わせや同学への訪問も絶えないという。
アニメ中間素材が与える「生きる力」のヒント
本コレクションは、大学の授業にも活用されている。
アニメ中間素材を用いた演習講義では、学生たちはアニメ中間素材を解読し、自らのテーマを発見して発表しているという。
「視聴者の立場から一歩も二歩も進んでアニメという産業、技術、表現を理解します」
22年度に開催したアニメ中間素材展では、学生たちは展示や設営に参加し、会場係を務めた。
学外でも積極的に活動を行う。アニメ・アーカイブ研究チームの教員は、16年に開催された「文化庁メディア芸術祭新潟展」のアニメーション部門とマンガ部門のキュレーターを務めた。
また新潟市で開かれたアニメ・マンガイベント「がたふぇす」に学生たちがスタッフとして参加し、同イベントについて調査した結果を、新潟市の担当者にプレゼンテーションした。
同学は23年10月、新潟市、開志専門職大学とマンガ・アニメに関する連携協定を締結した。
3者は今後、マンガ・アニメに関する共同講義の開設をはじめ、アニメ中間素材の展覧会開催やアーカイブの運営などを計画している。
「大変厳しい時代に社会に出ていく学生には、自分の頭で考え、調べ、行動すること、つまりは道なき道を行く力をつけてもらいたい。そのために、アニメ中間素材はいろいろなヒントを与えることができると思います」
アニメ中間素材の保存・分析・活用は、アニメ研究のみならず、地域の価値の向上、学生の人間形成など、多分野における可能性を秘めている。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年2月5日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第116回】ICTキャンパス 金沢工業大学「学内ビッグデータ解析で学修につまずいた学生支援」 2024年1月1日
数理系科目のつまずき 退学者数20%減
金沢工業大学は1965年に開学。現在は、工学部、情報フロンティア学部、建築学部、バイオ・化学部の4学部、および工学研究科、心理科学研究科、イノベーションマネジメント研究科の3研究科を持つ。
2020年12月、教育DX推進が学長方針として示され、そのなかで「学生1人ひとりの学びに応じた教育への転換」の実現が目標の1つとして掲げられた。
実現のための具体的取組として、学内に蓄積されたビッグデータを大域的に解析し、その結果に基づいて教職員が個々の学生を支援するとともに、AIシステムによる自動的な支援の実現を目指すこととなった。
本取組による効果の1つが退学者の減少だ。22年度の退学者数は、21年度に比べて約20%減少した。
退学につながりやすい要因のひとつとして、データ解析から分かってきたのが、1、2年時における数理系科目のつまずきだ。そこで、教える内容の精査や単位数などを見直したところ、単位取得率が上がった。
数理系以外でも、データ解析からつまずきやすい科目の存在が明らかになったため、前期にそうした科目がある場合は、夏休みに集中講義で再履修できるようにしている。
学内ビッグデータ解析で学生のつまずきや伸びしろを見える化多彩な支援につながった
データ解析に興味持つ学生が増加
学内ビッグデータ解析は、学生本人に対しても効果をもたらした。学生は自分の修学データが見られるようになり、自分自身の学びがどのような状況にあるか、客観的に把握できるようになった。
データ解析に関心をもつ学生も増えた。学内でデータサイエンスに関するプロジェクト「Data Dreamers」が立ち上がり、50名ほどのメンバーが勉強会などを行いながら、データサイエンスのコンテストなどに参加している。今後は、企業や地域の自治体とも連携しながら、データを活用してよりよい社会を創造していくことを目指す。
学生の成長を促す
データ解析から得られた情報を基に、学習に余裕のある学生に対して、様々な学びの機会を提案している。
①成績がある程度上位②課外活動等に参加していない③レポート提出に余裕がある、の3条件を満たしている学生を「伸びしろのある学生」とし、学内でのワークショップや課外活動を案内するなど、学生の活動の幅を広げる提案をしている。
「これまでは修学につまずく学生の支援を優先的に取り組んできましたが、これからは学生の成長を促すような取組にも役立てたいと考えています。データ解析は広範囲に行っていますが、学生がどのように成長しているのかは、実はまだよく分かっていません。人が成長するというのは、多様な現象で簡単にパターン化されるものではないと考えています。その中で、どのような教育の「場」が成長に必要なのかを、データに基づきながら検討していきたいと思います」(工学部情報工学科 山本知仁教授)
相関関係がなかった入学時学力と大学での成績
山本教授によれば、データを解析していくなかで、高校の学びと大学の学び、また大学の学びとそれに対する社会の評価には、それぞれ相関がないことが分かってきた。
例えば、大学1年時のGPAと出身高校の偏差値には、相関関係がまったくないという。ほかのデータ解析を参照しても、入学時の学力と、大学での成績の間には相関関係はあまりない。
また、大学で良い成績を取った学生が大企業に就職しているわけでもない。卒業時のGPAと就職した企業の従業員数や平均年収との間には、相関関係は見出されていない。
「データを解析して分かったのは、かなり無駄なことを社会全体で行っている可能性です。今後、初等、中等、高等教育および企業活動まで『人的資本』の観点からデータを突き合わせることで、より適切な教育のあり方を議論できると考えています。そのような取組が国内で進むことを期待しています」と、今後の抱負並びに教育におけるデータ解析の可能性を示した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年1月1日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第115回】ICTキャンパス 聖心女子大学「専門分野×データサイエンス 横断的に「自分らしく」学ぶ」 2023年12月4日
横断的学びを促す 聖心リベラル・アーツ群
聖心女子大学は、フランス革命後の混乱期に創始された修道会にルーツをもち、日本では戦後に作られた最初期の女子大学の1つ。人文学、社会科学、人間科学の3領域にまたがる8学科を開講している。
建学時より少人数教育、国際性、社会的貢献を特色とするリベラル・アーツ教育を行っており、2023年4月から、「言語と思考」「文学と芸術」「社会システム」「コミュニティと環境」「心と科学」「キャリアと生涯発達」「聖心スピリット」の7分野からなる「聖心リベラル・アーツ群」を新設した。
入学後1年間は全員が「基礎課程」に所属。新設の「聖心リベラル・アーツ群」及び既存8学科の入門科目を関心に応じて自由に選べる。リベラル・アーツ群は4年間履修可能だ。
こうした横断的学びにより学生は、これまで気付いていなかった「自分らしさ」「自分の可能性」を顕在化。2年次からの専門的学びをより主体的に深められるという。
聖心リベラル・アーツ群
eラーニングにきめ細かい対面サポート
23年4月から、AI・データサイエンス科目も必修となった。科目の1つ「AI・データサイエンス基礎」は、オンデマンド型のeラーニング形式だ。学生は自分のペースで繰り返し学修できる。
学生のeラーニングを支援するため、学内のメディア学習支援センターが中心となり、科目をすでに履修した学生が対面で学習のサポートを行っている。
AI・データサイエンス科目を受講した学生からは「データサイエンスが普段の生活と密接に関わっていることを知り、身近なものとして、関心を持って授業を受けることができた」「データを解析し、さまざまな問題に対する解決策を導き出すことができるのが魅力」「データの品質や倫理的な側面にも注意が必要だと思った。今後も継続的な学習と実践が重要だと思う」といった声が寄せられている。
同学では既に、従来の学科においても、データ分析に関する授業が数多く開講されている。
人間関係学科では、社会調査士の資格取得にかかわる科目において、データ分析の応用基礎レベルの授業が行われている。心理学科でも統計やデータを扱う授業が開講されている。
日本語日本文学科では、コーパス(電子化された大規模言語データ)を使ってデータ統計処理について学ぶ科目がある。
英語文化コミュニケーション学科では、デジタル・ヒューマニティーズ(人文学の諸分野にデジタル技術を適用する研究分野)を専門とする教員によって、ゲームのプログラミングを英語で学ぶ授業も開講されている。
なお「AI・データサイエンス基礎」の科目修了者には、国際的なデジタル証明書であるオープンバッジを発行している。
データサイエンスの方法活用で文理融合
聖心女子大学中川僚子副学長(学務・大学院担当)は「今後は、さらにデータサイエンス系の科目を増やすとともに、従来、特定分野でしか使われなかったデータサイエンスの方法を横断的に活用するなどにより、『専門分野』×『データサイエンス教育』という文理融合を実現する学位プログラムを構築していきたい」と話す。
「AI・データサイエンス基礎」は23年度、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」として認定を受けた。次の段階として、応用基礎レベルの認定を目指し、教育プログラムを整備していく考えだ。
同学の「聖心スピリット」とは、周りの人が必要としているものに気付き、頭を使い、心を使い、手足を使って、より良い状態をつくり出す精神の在り様を指すという。
「これからも聖心スピリットを礎として、それぞれの生き方のなかで社会に貢献する卒業生を送り出し続けたいと考えています。横断的学びにより広い視野を身に付けた上で、人と助け合う聖心スピリットを発揮するからこそ、卒業生たちは社会の様々な場所で、誰かの役に立つ働きができるのだと思います」と中川副学長は語った。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年12月4日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第114回】ICTキャンパス 横浜国立大学「データサイエンス系企業で22年度からインターンシップ」 2023年11月6日
データ分析ができるビジネスリーダーを育む
横浜国立大学経営学部は2021年4月、国公立大学の経営・商学部では日本初となるデータサイエンス教育プログラム「DSEP」(ディーセップ=Data Science EP)を開設した。
1年次から2名の指導教員によるデータ分析を活用したプロジェクトベースの少人数ゼミナールを行うなど、実践に重きを置いたカリキュラムで、データ分析テクノロジーを社会の課題解決や事業創造に活用できるビジネスリーダーの育成を目指す。
DSEPでは、民間企業との「データサイエンス・インターンシップ・プログラム」を22年度から実施している。データサイエンス系または情報処理系の国内企業で、DSEPの趣旨に賛同した企業に依頼しており、現在、(株)アイネットと(株)電通マクロミルインサイトの2社に各1名・計2名がインターンシップに参加した。
横浜に本拠地を置くアイネットは、クラウドデータセンターを軸として、金融、小売り、流通、製造など幅広い業種に向けて、クラウドサービスやシステム開発サービスなどを提供。同社での実習テーマは、データセンターにおける障害のデータ分析業務だ。
一方、電通マクロミルインサイトは、マーケティングリサーチ会社。電通が培ってきたマーケティング関連プロジェクトの実績と、マクロミルが保有するマーケティングデータとテクノロジーの活用という、2つの強みを活かして事業展開。同社での実習テーマは、顧客調査や市場調査プロジェクトへの参画だ。
データサイエンス・ゼミナール講義風景
プロジェクトベース型の履修が必須
インターンシップに参加するには、実践的な経営が学べる「経営者から学ぶリーダーシップと経営管理論」「ベンチャーから学ぶマネジメント」及び、少人数でデータ分析の実践を行うプロジェクトベース型の「データサイエンス・ゼミナールⅠ」「データサイエンス・ゼミナールⅡ」といった講義の履修が要件。データサイエンス・インターンシップは「データサイエンス実践科目」(選択必修科目)という位置付けだ。
インターンシップ後、学生は「インターンシップ成果報告書」を作成。大学は受け入れ企業が作成した「インターンシップ評価書」の内容と合わせて評価。単位を認定する。
単位は実習45時間につき1単位。実習は90時間が予定されており、2単位となる。
データ分析を学ぶモチベーションがアップ
インターンシップに参加した学生(3年生)は、翌年の「データサイエンス・ゼミナール」の講義において、1、2年生に、インターンシップの報告を行う。
インターンシップに参加した学生は「データサイエンス・ゼミナール」の授業に真剣に取り組むことが、就活などでも役に立つことを、後輩たちに伝えており、後輩たちの学びにもつながっているという。
「実際のビジネスの現場でデータ分析がどのように使われているかの理解度が上がっていると感じました。大学で学問としてデータ分析を行うだけでなく、学生自身のキャリアとして、データ分析を仕事にしていくため、データ分析を学ぶモチベーションが高まったと感じています」(伊藤有希教授・DSEP運営委員会委員長)
さらに、インターンシップ経験を通じて、大学では身に付けることが難しい、ビジネス現場でのマナーなど、社会人として基礎力も養うことができた。
「データサイエンス・ゼミナール」は、プロジェクトベース型の演習であり、学生たちは互いにコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めていく。これは、ビジネスの現場に近い環境といえる。
伊藤教授は「近年、データサイエンス教育、インターンシップを始めとするキャリア教育、企業との連携講座や寄附講座など、学生が実社会に出てから役に立つ実践的な授業が増えてきています。今後も実践的な講義の重要性は、ますます高まると思われます」と話した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年11月6日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第112回】ICTキャンパス 電気通信大学「現実空間・仮想空間の「壁」 超えた日常を当たり前に」 2023年9月4日
ディスプレイも道具もなしで映像が見える
電気通信大学大学院情報理工学研究科の橋本直己教授は、日常空間そのものを自在に書き換えることができる「空間型拡張現実感」の研究に取り組んでいる。
これは、スマートフォンやゴーグルなどのディスプレイが必要な「拡張現実感(AR)」とは異なり、ディスプレイを使わずに映像を見せる技術だ。
主要研究テーマのひとつである「どこでもディスプレイ技術」は、投影する面に色や模様があったり凹凸があったりしても、現実空間の影響を受けないように映像に補正処理を加え、本来の映像が楽しめる補正技術である。
「動的プロジェクションマッピング」も、主要研究テーマだ。これは動いているものに投影しても、その動きに合わせて映像を生成しながら投影する手法だ。
「どこでもディスプレイ技術による映像補正と、動く物体へも正確に映像投影が可能な動的プロジェクションマッピングを組み合わせることで、例えば、自宅にいながら世界中を旅することも、普段会うことのできない遠隔地に住む家族と食卓を囲むことも可能です。異なる学校の教室をひとつにつなぎ合わせて、多様なメンバー構成で授業を行うことも、将来的には実現できると考えています」
「どこでもディスプレイ」はディスプレイなしで投影できる
カーテンに映像を投影 動きや形状の変化に追従
橋本教授の研究室に所属する学生たちも「どこでもディスプレイ技術」や「動的プロジェクションマッピング」を活用した研究を進めている。
そのひとつとして、部屋にかかっており空気の流れによって動くカーテンの形状にあわせた補正を施し、本来の映像をゆがみなく映し出す研究に取り組んでいる。
不規則な動きをするカーテンに遅れることなく追従して、補正処理を行うことが重要な研究テーマだ。
また、動的プロジェクションマッピング研究のひとつとして、投影対象を手でつかんで動かしても、映像を途絶えさせることなく正確に投影させる研究がある。
カメラで投影対象を常時観測して、対象物の位置や姿勢を把握する必要があるが、手で投影対象を持ってしまうと、プロジェクターからの映像がさえぎられ、影ができてしまう。その影の影響を極限まで減らす研究だ。
猫を抱えているように見えるプロジェクションマッピング
現実と仮想の体験がつながる世界へ
橋本教授は「プロジェクションマッピングなどの技術が一般化し、イベントなどに幅広く使われるようになったことは、我々の研究分野のひとつの成果だと考えています」と話す。
しかし、「どこでもディスプレイ」も「動的プロジェクションマッピング」も、まだ知名度が低い状況だ。これらの技術の魅力を、体験を通して多くの人に理解してもらえるよう、さらに力を入れていく。
「研究の根本の目的は、仮想世界にしか存在しないものと、現実に存在するものとが、自然な感じで深くやり取りできる環境を作り出すことにあります。スマホなどを使わずに、部屋の隅からポケモンが現れてくるような、そんな状況を誰もが気軽に利用できる世界を目指したいと考えています」
教育分野においても、コロナ禍以降、オンライン化が急速に進んできたが、「空間型拡張現実感」の研究成果によって、現実空間と仮想空間の違いを感じさせない教育が行われるかもしれない。
橋本教授は今後について「拡張現実感技術もそうですが、新しい技術が次々に世の中に登場し変革がどんどん加速していると感じています。学生たちが学ぶべき内容を大学としてよく考えて、柔軟に対応していくことが必要だと考えています」と話した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年9月4日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第111回】ICTキャンパス 三重大学「学部生を院生がサポート 数理・データサイエンス館」 2023年8月7日
文系・理系問わず学び合いの場を構築
三重大学はキャンパス内に、数理・データサイエンス館(Center for Mathematical and Data Science、以下CeMDS)を2020年4月に開設した。
CeMDSの基本コンセプトは「学生同士の学び合い」。学部生が抱えるIT機器やデータサイエンスについての疑問や悩みを、大学院生が対応し、解決に向けてサポートする。開設以来、文系、理系を問わず学生に活用されている。
CeMDSは3階建てビルで、1階はメイカーコモンズ、2階はデータサイエンスコモンズ、3階はコラボレーションコモンズで構成。
1階のメイカーコモンズは「メイカースペース」と「サポートデスク」だ。メイカースペースは、レーザー加工機、3Dプリンター、デジタルミシンなどを備え、これらICT機材を使ったモノづくりができる。
学部生は、3Dモデルを作成したり、レーザー加工機でスケールモデル(縮尺に基づいて忠実に再現した模型)を作ったりと、自分の研究テーマに基づいたモノづくりを大学院生のサポートを得ながら行える。
一方サポートデスクは、ICT、データサイエンス、ラーニングの3分野についての相談を受け付けており、こちらも大学院生が対応している。
具体的な相談内容としては、ICT分野では、PCに関するトラブル(PC設定方法、スマートフォンやクラウド活用、情報セキュリティなど)、データサイエンス分野では授業内容など、ラーニングサポート分野では文献の検索方法やレポートの書き方、プレゼンテーションの組み立て方についての相談が多いという。
大学院生ではサポートしきれない相談内容については、必要に応じて教員や技術職員が対応する。
数理・データサイエンス館を開設
学生間の協働を通じてIT人材を育成
2階のデータサイエンスコモンズにはレクチャールームがあり、プロジェクターや大型ディスプレイを備える。文献検索・書籍コーナーでは、PCで文献検索が行え、データサイエンス関連書籍の閲覧もできる。
3階のコラボレーションコモンズには、数学分野の分からないことを気軽に相談できる「数学何でも相談室」と、サマーセミナーやオープンキャンパス、そのほか科学関連イベントの企画会議や作業を行う「自然科学系技術部」がある。
3階には2つのスタジオも備え、講義用ビデオの撮影や各種コンテンツ作成などに幅広く利用されている。
三重大学データサイエンス教育センターの奥原俊氏は「CeMDSでは、相談する学部生だけでなく、大学院生もサポート業務を通じて、新たな知識や情報を得ており、学生同士の協働が実現しているのが特色です」と話す。
大学としてはCeMDSでの活動により、学部生が社会に出た後も新しいテクノロジーを苦手意識なく扱える人材になることを期待している。
一方、大学院生はCeMDSにおけるサポート業務を通じて、卒業後はIT関連機材の管理運営や統計、機械学習などの理論を用いて課題解決ができる人材となることが期待されている。
小中高の先にあるデータサイエンス教育を
現在、小中学校において、様々なITツールを用いた協働的・体験的な学びが実施されつつあり、22年度からは、高等学校で情報科目が必修化されるなど、データサイエンスに関する教育が本格的に始まっている。
「こうした実情を踏まえて、大学においては、小中高で学ぶ情報リテラシーやデータリテラシーの先にあるものを教える必要があると考えています」
大学の必修科目は1クラスの規模が大きいこともあり、座学中心になりがちだ。
「座学の内容は、高校などで学ぶ内容と重なる部分があります。そこで座学では、数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムや他大学で公開されている良質のビデオ教材や資料を活用して、復習することも考えています」
三重大学では今後、こうした座学に加えて、体験型学習を取り入れたカリキュラム編成を、大学初年度教育で実現させていく考えだ。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年8月7日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第110回】ICTキャンパス 群馬大学「業務負担になり得る事象の発生頻度を徹底的に分析」 2023年7月3日
複数の医療データからナースコール頻度分析
群馬大学情報学部の高木理准教授は、医療情報学の研究に取り組んでいる。
医療情報学は比較的新しい学問分野で、その定義は国や研究コミュニティによって異なる。
高木准教授は「医療に関わる情報処理技術や、情報共有のあり方に関する取り決めなどは、医療情報学の範囲に入ると考えられています。個人的な考えですが、医療を通じて得られる情報のうち、何が重要で、どのようにして収集・蓄積・流通・利用するべきかを議論することは、医療情報学における最も重要な課題の1つです」と話す。
大規模病院では、患者カルテを始め、医師の指示出しおよび医療スタッフの指示受けに関わるデータ、医療機器による検査データ、看護師が情報端末で入力する患者データなど、様々なデータがある。
しかし、それぞれが独立したデータベースとして存在しているため、これらを結びつけながら分析することが大きな課題となっていた。
例えばナースコールの頻度は患者の状態を知るための有効なデータだが、データ量が膨大なため、問題になりそうな変化をくまなく見つけることは困難であった。
そこで高木准教授は、ナースコールデータを様々な医療データと組み合わせ、新しい言語形式による「頻度傾向分析システム」を用いて、ナースコールの発生頻度に関する研究に取り組んだ。
患者の入院生活に関するデータを紐付けながら、各患者のナースコール数の推移を分析する
医療業務の改善に有効なエビデンス
分析対象としたのは700病床以上の規模を持つ病院の約1年半分のナースコール履歴データだ。
ナースコール数が多い病棟や、ナースコールが増加する時間帯などとともに、病院全体でナースコール数が連続的に増加する時間帯などを調べた。また、手術前後におけるナースコールの発生頻度のパターンを、病棟あるいは術式ごとに分類した。
分析を通じて、次のことが分かった。
●手術はナースコール数の増加に影響を与えている可能性が高い
●予定外のナースコールは予想以上に多い(予定されたナースコール=点滴や食事が終わった後などのナースコール)
●「朝になるとナースコール数が増加する」現象は当然のように考えられているが、病棟により傾向に大きな差がある
●病院全体でナースコール数が増加した現象が、2時間あるいは3時間連続して発生した日がわずかだが存在した
看護師の配置を見直すなど医療業務の改善には、その根拠となるエビデンス(データ)が必要だ。同時に、多くの人が納得できる客観的な評価手法(分析手法)も必要になる。
頻度傾向分析システムに基づく問題事象の発生頻度の傾向パターン分析は、エビデンスの作成に役立つ。
「頻度傾向分析システムのような数理的なアプローチを用いて、業務負担になり得る事象の発生頻度を徹底的に分析することは、看護師の適切な配置や、医療業務の質評価などに重要だと考えています」
社会全体がデータ化 負の影響を考える
現在は情報処理技術が急速に発展し、世界中で膨大なデータが蓄積され、それを有効活用しようとする機運が高まっている。
「社会全体のデータ化は、私たちに対して良いことだけでなく、様々な負の影響の可能性はありますが、それがどのようなものなのかを、多くの人が納得できる形で示すことは非常に難しい問題です。しかし、この問題を様々な側面から考え議論することは必要であり、その役割を担うのが大学や研究者であると考えています」
今後は医療分野以外の研究にも取り組みたいと言う。その一例として挙げたのが、データ提供者のプライバシーを保護しながら、データ分析を可能にする技術の開発だ。分析結果の本質的な内容をできるだけ歪めないようにしつつ、データ提供者の特定につながり得る情報を匿名化する技術開発に着手している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年7月3日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第109回】ICTキャンパス 沖縄大学「メタバースで語学学習 学生の学習意欲高まる」 2023年5月1日
Mozilla Hubs 中国語の授業で活用
沖縄大学人文学部の渡邉ゆきこ教授は、語学の授業でメタバースを活用し、学生の学習意欲を高めるなど効果を上げている。
メタバースを使っている授業は、1年生対象の全学共通科目「オーラル中国語」。Mozilla社が提供するソーシャルVRアプリ「Mozilla Hubs」を活用している。
本アプリは、PC、スマートフォン、VRヘッドセット等様々なデバイスからWebブラウザを介しURLだけでバーチャル空間に入ることができるもの。参加者はアバター(3Dキャラクター)を操作して参加者同士で会話することができる。
アバターを使った非言語コミュニケーションも可能だ。こうした技術またはサービスを「メタバース」と呼んでいる。
ビデオ会議の場合はWebカメラを利用し、遠隔地の相手とコミュニケーションを取る。それに対してソーシャルVRは、バーチャル空間に、ほかの参加者と一緒にいることができ、コミュニケーションを取ることができる。実際に会って話しているような感覚があり、会話が弾みやすくなるという。
メタバースを活用した中国語の授業。学生は集中して取り組んでいる
VRは学生に好評 「もっと取り入れて」
複数あるソーシャルVRアプリのなかから本アプリを選んだのは次の理由からだ。
▼PCで利用できるため、機材を新たに購入する必要がない ▼ソフトのインストールやユーザー登録が不要で導入しやすい ▼「シーン」と呼ばれるVR空間の種類が多く、シーンの加工も直感的にできる ▼複数のVR空間が簡単に作れる ▼少人数での会話練習に向いている
渡邉教授は、学習内容ごとに「シーン」を学生が興味を持てるよう楽しいものに変更し、同時に文法項目などに配慮したタスクを準備している。
タスクは、与えられた目標を言葉などのコミュニケーション手段を使って達成させるもので、実際のコミュニケーションの状況により近くなる。
「学生の出席率が高くなり、朝9時からの授業にもかかわらず、早々と教室に顔を出す学生が少なくなかったことから、VR活用により学生の学習意欲が高まっていると感じる」と話す。
最初は教科書を見ている学生も、タスクを進めるうちにヘッドセットを通して聞こえてくる相手の音声やモニター上のVR空間に集中するようになる。
授業を受けた学生にアンケートを取ると「楽しい」「語学の授業にもっとVRを取り入れてほしい」など、肯定的な意見が圧倒的だ。
「ある学生は『これが大学の授業なんだ』と言っていました。これまでの語学の授業とは大きく異なることを、直感的に感じてくれたのではないかと思います」
台湾の学生とVRで交流
台湾の大学と隔週で毎回1~2時間、VR空間を活用した交流学習を行ったこともある。
「コロナ禍で海外渡航ができないなか、ネイティブと交流する非常に貴重な機会となりました。VR空間はZoomのようなWeb会議ツールとは異なり、空間内で動き回ったり、ものを指し示したりできます。学生は言葉が不十分であってもコミュニケーションを行うことができました」
今年の夏は台湾を訪れ、VR上で交流した学生とリアルで交流する予定だ。VR空間ですでに知り合っているため、初対面とは異なり、より深い交流ができるのではと期待している。
「今春、台湾で本取組について講演を行ったところ、大変好評でした。今後は、海外でもMozilla Hubの普及活用やワークショップを行いたい」と話す。海外の大学との共同研究も視野に入れている。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年5月1日号掲載
(執筆 蓬田修一)












