【第7回】玉川大学・玉川学園「ARスマホアプリで学園の魅力を体感訴求」 ICTキャンパス 2014年7月7日
児童・生徒・学生 入学志望者らが対象
玉川大学・玉川学園は独自のスマートフォンアプリ「TAMAGAWA」を開発し、今年4月から提供を開始した。
同アプリはAndroidとiOSに対応。コンテンツは、玉川学園の児童・生徒・学生をはじめ、卒業生・学校関係者・入学志望者などに向けて、同学園の教育活動や研究内容などを伝えるもの。
アプリの特徴は、コンテンツにAR(拡張現実)を導入していることだ。AR導入について滝田宣宏氏(玉川学園教育企画部キャンパスインフォメーションセンター)は「スマートフォンやタブレットの普及によって、AR技術が容易に提供できるようになりました。アプリでは『体感』と『情緒面への訴求』をキーワードに、ARを活用して本学の魅力を表現しようと試みました」と話す。

端末を学内などに提出されている新図書館の完成予想図に向けると、建物の様子が立体で表現される
建設中の新図書館をARで立体表現
ARを活用したコンテンツは、2つ提供されている。
1つは2015年4月の利用開始を目指して建築中の図書館・講義室・研究室を含む「大学教育棟2014」の紹介だ。
新図書館の建築工事が正門付近で大規模に行われているため、通学時に正門を通る児童・生徒・学生は新図書館への関心が高い。そこで、建物の完成イメージをいち早く伝えたいという思いから作られた。
アプリでは、建物の完成イメージの3Dモデル、実写とコンピュータグラフィックとの組み合わせによる外観と内部の360度パノラマ表現、マーカー(任意の図形)を読み込むことで現れる建物の立体画像を見ることができる。
「アプリのAR機能は、教職員や学生から非常に興味深く注目していただいています。また、AR活用の今後の発展性にも関心を持つ人も少なくありません」(滝田氏)
もう1つのARコンテンツは、2015年4月に開設予定(2015年4月設置届出中)の2学科(文学部英語教育学科、工学部エンジニアリングデザイン学科)の紹介だ。
新学科を紹介するパンフレットの表紙や本文の見開きページに、端末をかざしてマーカーを読み込むと関連動画が端末画面に再生される。
学生と協力しながら新コンテンツを開発
今後は、コンテンツを随時更新していくことに加え、「大学教育棟2014」の工事進捗に合わせて、実写映像への切り替えも可能とさせていく考えだ。
また、新しいコンテンツの追加も検討中だ。
「学生と協力しながら参加型のARコンテンツづくりを行うことも想定しています。現在、実現に向けて、学生にヒアリングを行っているところです」(滝田氏)
玉川大学・玉川学園では、2013年4月にHPをリニューアルした。新しいHPでは、全ページでレスポンシブ・ウェブデザイン(1つのファイルでPC、スマートフォン、タブレット端末など多様なデバイス画面に同じコンテンツを表示させる手法)を導入し、ユーザーにとっての「見やすさ」「使いやすさ」を追求している。
滝田氏は「HP、学校案内の冊子、そしてARアプリを併用することで、本学の魅力を一層、楽しく分かりやすく表現していきたい」と話した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2014年7月7日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第6回】東京大学「大規模オンライン講座 グローバルな展開へ」 ICTキャンパス 2014年6月2日
オープンコースウェアとは異なるMOOC
東京大学は、大規模公開オンライン講座(MOOC=Massive Open Online Course 通称ムーク)への取り組みに力を入れている。
MOOCとは、ネット上で無料公開されているオンライン授業のことだ。これまでもオープンコースウェア(OCW)と呼ばれる講義コンテンツの無料公開サービスはあった。MOOCがOCWと異なるのは、掲示板やSNSを活用した講師と受講者間とのやり取りや、履修認定などが行われる点にある。
東京大学は日本で初めてのMOOCの試みとして、2013年9月、米国・コーセラ社が提供するMOOCプラットフォームにおいて実証実験を開始した。
世界150か国以上 8万人以上が登録
開設した講座は、村山斉氏(カブリ数物連携宇宙研究機構機構長・特任教授)による「ビッグバンからダークエネルギーまで」と、藤原帰一氏(大学院法学政治学研究科教授)による「戦争と平和の条件」の2講座。
英語で配信し、2講座あわせて世界150か国以上から8万人以上が登録、約5400人が修了した。
講座は4週間のコースで、受講者は1本約10分の講義ビデオを毎週10本閲覧し、課題に回答する。講義ビデオはスライドの前で講師が解説を加えるスタイルが基本で、必要に応じてCGアニメーションや動画などを加えて構成した。
2014年度は新たに「インタラクティブ・コンピュータグラフィクス」と「ゲーム理論」をテーマにした講座を開設する。
世界初の3大学共同によるMOOC
東京大学では、MOOCの取り組みをさらに発展させるため、今年に入って、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の出資によるMOOCプラットフォーム「エデックス」と配信協定を締結した。
エデックスは2012年5月にサービスを開始。米国を中心に世界トップクラスの31大学が参加し、140以上の講座を公開。登録者数は約200万人以上にのぼっている。
東大ではエデックスにおいて今年秋から、ハーバード大学およびMITと協力し、近現代の日本に関する連携講座シリーズ「ビジュアライジング・ジャパン」を提供する。
同シリーズでは、ハーバード大学のアンドルー・ゴードン教授、MITのジョン・ダワー教授が講座を担当。東大からは副学長・大学院情報学環吉見俊哉教授が「ビジュアライジング・ポストウォー・トーキョーPart1/2」の2講座を担当し配信する予定だ。
今回の連携にあたり、東大の江川雅子理事は「ハーバード、MITとの連携によって魅力ある教育プログラムを開発することで、東京大学の国際化がさらに進むことを確信しています」とコメントしている。
また、オープンエデュケーションの第一人者であるMITの宮川繁教授(東京大学総合教育研究センター特認教授・オンライン教育統括ディレクターと兼任)は「今回のビジュアライジング・ジャパンは、世界初の3大学共同のMOOCであり、グローバルなコラボレーションの新しいモデルとして注目されています」と述べている。
東大では今後、MOOCでの取り組みを活かし、学内キャンパスの授業におけるオンラインコースの活用を検討していく。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2014年6月2日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第5回】大阪大学「教育・産業界と密接連携 地域に最先端科学を公開」 ICTキャンパス 2014年5月5日
大阪大学は、学内外の情報基盤を支える組織として、「サイバーメディアセンター」を平成12年度に設置した。同センターは、大阪大学内の大型計算機センター、情報処理教育センター、図書館(一部)を再構成して組織されたものだ。ここでは、同センターの最新活動について紹介する。
新教育用計算機システム
サイバーメディアセンターでは、VDI(仮想デスクトップインフラストラクチャ=Virtual Desktop Infrastructure)とBYOD(持ち込みパソコンの活用=Bring Your Own Device)の仕組みを活用した、新たな教育用計算機システムを今年9月に導入する予定だ。
これまでは、授業を受けたり自習したりするには専用端末が必要なため、端末の導入および運用にコストがかさんでいた。また、経年による端末の老朽化で、サービスの質が相対的に低下するという問題もあった。
VDIとBYODとを併用することで、端末や場所を問わず、同センターが提供するのと同一の計算機環境が利用できるようになる。
ダイナミック教材
従来のインターネット教材は、修正が困難という課題があった。同センターが開発を進めている「ダイナミック教材」は、教材の共有・再利用・パーツ利用を前提としているもので、修正が容易に行えるのが特徴だ。
操作性を極限まで追求し、若干の訓練で、コンピュータに不慣れな人でも教材作成が可能。プロトタイプはすでに完成している。同センターでは「教材作りに苦労している教職員の方々には、デモや情報提供など、可能な限り応じたい」と話す。
eラーニング用辞書
外国語教員と連携し開発したデスクトップ端末用のウェブ辞書をベースとして、タブレット端末環境での操作性や機能を備えたiPad用辞書アプリを開発し公開している。今後は、対応言語の拡大や操作性の向上を目指す。また、辞書データの開発を行う外国語教員へのサポート機能を開発する予定だ。
可視化サービス
スーパーコンピュータや大規模計算クラスタで解析された計算結果は、情報の欠損なく、しかも直感的に分かりやすく可視化されなければならない。
そのため、高精細立体表示装置をサイバーメディアセンターうめきた拠点と豊中データステーションに構築中だ。
可視化により、スーパーコンピュータや計算クラスタを用いた産学連携研究機会の創出だけでなく、一般の人にも科学研究への理解が深まることが期待されている。
ODINS運用戦略
大阪大学では、学内における多種多様な情報通信の利用を支えるICT基盤「大阪大学総合情報通信システム(ODINS)」を備えている。
ODINSの特徴は、ネットワークシステムの運用・管理面だけでなく、ネットワークの規模や通信速度も含め、利用者の声を直接的に反映させたネットワーク構成を目指していること。たとえば、授業中にネットワークが必要な教室などに、優先的にアクセスポイントを増加させたりしているのは、その一例だ。
☆ ☆
大阪大学サイバーメディアセンターは、こうした取り組みを通じ、教育機関や産業界と密接な連携を図っているとともに、地域に開かれた組織として活動している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2014年5月5日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第4回】愛媛大学「教育デザイン室を設置 トータルでサポート」 ICTキャンパス 2014年4月7日
教員のICT活用をワンストップで支援
愛媛大学は教育デザイン室を設置し、ICT活用における科目担当教員の授業改善や、教育改革にともなう学部のカリキュラム改善に関わる支援などを行っている。
これまで教員向けにはICT活用に関する研修会を実施していたが、受講しただけでは、授業改善上の問題解決に充分な専門的知識の獲得は難しい面があった。
「担当教員は授業『内容』の専門家であり、授業『設計』については、不慣れなまま改善に取り組むことになってしまい、それが時間的・心理的負担となっていました。そこで、授業設計の支援組織による、設計・開発から実施、運用サポート、研修までのトータルなワンストップ支援が有効であると考え、教育デザイン室を2013年に設置しました」(愛媛大学総合情報メディアセンター教育デザイン室長 仲道雅輝氏)
他大学でも同様の支援を行うケースはあったが、ワンストップで支援できる仕組みを整えたのは愛媛大学が日本初だったという。
■インストラクショナル ・デザイン手法を重視
教育デザイン室の業務は大きく次の4分野に分かれている。
(1)授業科目担当者へICTを活用した教育支援
インストラクショナル・デザイン(ID/教育設計)の手法をもとに、ICTを活用した授業構成の見直し、および授業をより効果的・効率的・魅力的なものにするための授業設計の支援を行う。
(2)教材の開発・作成
シラバスや講義資料などをもとに、資料の効果的な提示方法の提案、教材のブラッシュアップ、講義の撮影・編集など、eラーニング教材の作成支援を行う。
(3)eラーニング運用サポート
eラーニングコンテンツの使い方などにおいて、スムーズに運用できるためのサポートを行う。
また、事例の紹介や研修会の開催などを通じて、担当教員のスキルアップを支援している。
(4)ICT研修会の開催とICT活用教育の普及
ワード、エクセル、パワーポイントなどの使い方に関するICT研修会の開催、ICT活用教育事例の紹介などを行う。
■569コース(科目)でeラーニング活用
eラーニングを取り入れているコース数(科目数)および利用教員数は大きく増えている。2007年には7コース・6名だったのものが、教育デザイン室の設置以降(準備段階を含む)は2012年には410コース・123名と大幅に増加。2013年度は、569コース、177名となっている。
今後は、これまで制作してきたeラーニング教材コンテンツの他者評価を実施し、質の向上に努めていく考えだ。
「eラーニング教材の授業全体における位置づけや効果的な活用方法のコンサルテーションを通して、『授業をデザインする(授業設計)』という視点をさらに広める必要性を感じています。そうすることで、eラーニングをツールとして活用していきながら、学習成果を蓄積し、ポートフォリオ(教育・学習成果の可視化)の実現や、さらなる教育展開へつなげていきたいと考えています」(仲道氏)
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2014年4月7日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第3回】金沢大学「理系・文系問わずノートPC必携」 ICTキャンパス 2014年3月3日
学生・教職員に生涯ID ポータルサイトも整備
金沢大学は、平成18年度から学生にノートPCを必携としている。理系・文系を問わず「高度情報化時代に対応できる情報処理の基礎能力・総合力を持った人材育成」が不可欠との考えからだ。
PC必携化にともない、ノートPCを学内で安全安心に使えるように無線LANネットワークを整備するとともに、ICT活用ためのポータルサイト「アカンサスポータル」を整備した。このアカンサスポータルは、学生および教職員にワンストップのICTサービスを提供している。
学生は、大学からの各種連絡、個別連絡、時間割の表示、学生証を使っての出席管理(各教室には端末が設置)、休講・補講通知、スケジューラー、SNS、LMS(学習管理システム)や学内の各種サービスへのリンク(履修登録、Webシラバスなど)が用意されている。
教職員には、学生との連絡、学生への情報掲載、学内の各種サービスへのリンク(成績入力、シラバス入力、給与明細や年末調整、予算執行支援、電子職員録など)が提供されている。
メールアドレスをアカンサスポータルに登録することで、学籍番号だけ連絡を取ることが可能だ。
「アカンサスポータル」のトップ画面
生涯IDを使い シングルサインオン
金沢大学は学生と教職員に対して、生涯IDである「金沢大学ID」を発行している。学生と教職員は金沢大学IDを使い、アカンサスポータルにログインすることで、同大学が提供するほぼすべてのICTサービスを利用できる。
アカンサスポータルでは、シングルサインオンを採用しているため、学生・教職員は金沢大学IDを用いてリンク先の各サービスを利用することができ、サービスごとに異なるIDを使う必要はない。
「学生・教職員は、アカンサスポータルの稼働により、大学からの情報を取得する場所が分かりやすくなりました。また大学側でも、シングルサインオンによって、各部署でIDやパスワード発行などの業務を行う必要がなくなりました」(金沢大学総合メディア基盤センター 森祥寛氏)
ICT関連の相談 専用カウンター設置
金沢大学では学生のPC活用をサポートするため「パソコン相談カウンター」を平成25年4月に設置した。同大学に関するICT関連のトラブルや質問であれば、どのような内容であっても受け付けている。
「ICTで分からないことがあれば、まずはパソコン相談カウンターに相談すればよいというスタンスです。重要なのは、学生や教職員がどこに聞けばいいか分からず、あちこちの窓口に問い合せをしたり、たらい回しにされるのを避けることです」(森氏)
このように、金沢大学では、学生・教職員のICT活用環境整備を積極的に進めている。
今後、新システムの導入あるいはシステムを更新する際は、アカンサスポータルと連携させていく考えだ。
「連携は、各システムの導入や開発という面から考えると、余計な手間がかかるように見えますが、大学全体としては、経費の削減、業務の見直し、サービスの向上などに、非常に効果があると考えています」(森氏)
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2014年3月3日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第2回】明治大学「Suicaと学生証一体化 学内施設で電子マネー」 ICTキャンパス 2014年2月3日
決め手は利便性とセキュリティの高さ
明治大学(本部・東京都千代田区)は、学生証とJR東日本のSuicaとを一体化させた「Suica付き学生証」を、全学生を対象に導入している。
同大学で、学生証のセキュリティ向上を図るため、従来の磁気カードからICカードへの変更を検討していた同時期に、社員証や学生証と一体化させたSuicaのサービスが開始された。
「SuicaのICカードとしてのセキュリティの高さと学生の利便性を考慮して、導入を決定しました」(明治大学教務事務部教務事務室)
学食や売店で電子マネー決済
こうして「Suica付き学生証」は、2008年11月に導入されることになった。これは、国内初の「Suica付き学生証」の導入ケースである。
Suicaと学生証が一体化したことにより、これまで駅窓口で購入する必要があった通学定期券が、通学区間に変更がない継続購入の場合は、自動券売機で購入可能となった。
また、Suica機能の大きなメリットのひとつである電子マネー決済サービスも、導入以降、学内で利用できるよう順次、整備を進めてきた。
現在では、Suicaの電子マネーで、在学証明書など各種証明書を自動発行機で取得できるのをはじめ、学内の食堂や売店などの施設においても、Suicaの電子マネーで決済ができる。
学生証とSuicaとが一体化したことにより利便性が高まった一方で、学生や大学にとって手間が増えた面もある。
Suicaと一体化した学生証
表(上)と裏(下)
紛失の再発行手続き 従来より手間増える
そのひとつが紛失した際の再発行手続きの煩雑化だ。旧学生証では学内での発行が可能であったため、紛失等による再発行を即時に行うことができた。
しかし、Suicaとの一体化により学内での発行が不可能となったため、再発行に時間を要するようになった。
また、学生証を紛失した際は、学生は大学とJRの両方の窓口に届け出なければならず、手続きが煩雑化した。
利便性高める サービス開発へ
教務事務室では「学生証とJRの通学定期券とが一体化したことが、学生にとって最大のメリットだと認識しています」と話す。
しかしながら、明治大学の4キャンパス(駿河台、和泉、生田、中野)のうち、和泉と生田の2キャンパスは私鉄沿線にある。学生によっては私鉄しか利用しないため、学生証と一体化することができない。
学生からも「SuicaだけでなくPASMOとの一体化も実現させてほしい」という要望が出ている。
ほかにも学生からは「Suica一体化学生証による割引サービスがあるといい」「学生証と定期券が一体化していることは、別々に持つよりも便利でスマートな反面、紛失や壊れたときのリスクが大きい」といった声が寄せられているという。
現状ではキャンパスによって一体化のメリットを受けられない学生もいるので、今後はすべての学生が享受できるサービスの開発を検討していく考えだ。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2014年2月3日号掲載
(執筆 蓬田修一)
【第1回】神奈川歯科大学「自動的に授業を録画・配信 従来工数4分の一で実現」 ICTキャンパス 2014年1月1日
教員に負担をかけず リアルな動画を収録
神奈川歯科大学は、1910年(明治43年)に東京・神田で創立。100年以上の伝統を持つ歯科専門大学だ。現在は神奈川県横須賀市にキャンパスを持ち、歯学部、大学院歯学研究科、短期大学部を併設。横須賀市と横浜市には付属病院がある。
同大学の大学院では、ICTを活用した授業配信の新システムを導入し、2013年5月から本格稼働させている。
歯学研究者・教育者教育コース、高度先進臨床歯科医療養成コース、高度診療協力専門職養成コースを持つ同大学院の学生は、授業だけでなく研究、臨床研修などさまざまな形で学習しており、横須賀キャンパスの教室だけでなく、横浜にある付属医療施設などで講義を見る機会も多い。
そのため、空き時間を有効に使って復習・再履修ができる授業配信はニーズが高かった。こうしたことから、すでに2011年には学生への教育支援の一環として授業映像の配信をスタートしていた。
今回、新たに導入したのはパナソニックインフォメーションシステムズの「ArgosView 授業配信システム」。新たな授業配信システムの導入にあたっては、次のふたつの課題を解決することを目指した。
ひとつは、講義を行う教員に負担をかけないで授業配信を行うこと。もうひとつは、従来の“音声付き動画”ではなく、よりライブ感のあるリアルな講義風景を配信していくことだ。
授業配信を行うには、まず収録したい講義を録画システムのカレンダーに予約するとともに、授業で使用する資料もアップロードする。予約と資料アップロードいずれも学内のどのPCからでも可能だ。
新システムは、授業の収録・配信にかかる負担が軽減、スマートデバイスへの配信やライブ配信といった幅広い配信方法が可能になった。教室に必要な機材は天井に設置したネットワークカメラとマイクのみの構成のため比較的安価にシステム構築ができたという。
また、学内のPCからスケジュールを登録するだけで自動的に収録・配信が行えるため、導入前に比べ教員・事務職員の工数は約4分の1に削減された。現在、約80人の大学院の学生が利用している。
講義の録画は、カレンダーに予約したスケジュールに従って自動で行われる。自動で録画がスタートするので、教員が授業を始めるときに、いちいち録画ボタンを押す手間がない。撮り忘れという事態も避けられる。
教室の天井に設置されたネットワークカメラが教員の講義の模様を撮影。このとき音声も同時に収録される。
上、神奈川歯科大学大学院ICT講義室の様子。
下、授業配信システムの利用イメージ。 学生の中には、仕事を持つ人もいる。 PCやタブレット端末で講義を見ることができ、好評だ。
空いた時間に講義を見る
録画された授業コンテンツはサーバーにアップロードされ、学生はPCおよびiPadなどのモバイルデバイスを使って、自分の都合のいい時間と場所でダウンロードし閲覧できる。また今回のシステムでは講義のライブ配信も実現した。
学生の中には社会人もいる。普段は病院などで働きながら、大学院に通いキャンパスでは実験や論文検索などキャンパスでしかできないことを行っている。録画された授業コンテンツは学生の都合にあわせダウンロードできるため、多忙な学生には好評だ。
動画配信システムを活用するようになって、移動などのすき間時間にタブレット端末で学習するなど、学生の時間マネジメント能力も向上しているようだ。
教育家庭新聞 新春特別号 2014年1月1日号掲載
(執筆 蓬田修一)
ICTキャンパス 第94回 通信課程 試験前に「顔認証」試験中は「顔確認」
「教育家庭新聞」(発行=教育家庭新聞社)2022年2月号に、蓬田が執筆した記事です。
大学の最新ICT活用を紹介する連載「ICTキャンパス」の91回目です。
教育家庭新聞社サイト https://www.kknews.co.jp では、
「教育家庭新聞」の購読申込みや、教育関連のニュースがご覧になれます。
ICTキャンパス 第92回 東京工科大学 東京ゲームショウに15年連続参加
「教育家庭新聞」(発行=教育家庭新聞社)2021年12月号に、蓬田が執筆した記事です。
大学の最新ICT活用を紹介する連載「ICTキャンパス」の92回目です。
教育家庭新聞社サイト https://www.kknews.co.jp では、
「教育家庭新聞」の購読申込みや、教育関連のニュースがご覧になれます。
ICTキャンパス 第91回 中央大学 学生のスキルを証明 オープンバッジ実証実験
「教育家庭新聞」(発行=教育家庭新聞社)2021年11月号に、蓬田が執筆した記事です。
大学の最新ICT活用を紹介する連載「ICTキャンパス」の91回目です。
教育家庭新聞社サイト https://www.kknews.co.jp では、
「教育家庭新聞」の購読申込みや、教育関連のニュースがご覧になれます。















