【第103回】ICTキャンパス 福知山公立大学「市のシンボル・福知山城をマインクラフトで築城」 2022年11月7日
市のシンボルを建設
福知山公立大学(京都府福知山市)は地域経営学部と情報学部の2学部を持つ。1871年(明治4年)に設立された愛花草舎が起源で、2016年3月まで私立大学として運営。同年4月に公立化し、福知山公立大学として開学した。
福知山公立大学の特色は、教育・研究が当初から社会貢献と結びつけて構想している点にある。地域に対して開かれた地域協働型の教育・研究に力を入れている。
同学と同学設置者である福知山市は2021年11月からおよそ10か月間にわたり、世界中で多くの人に親しまれているゲーム「マインクラフト」の世界に、福知山市のシンボルである福知山城を建築するプロジェクトを実施した。
福知山市はプロジェクトを始めた経緯について、次のように話す。
「福知山市は情報教育に積極的に取り組んでいますが、さらに充実させるため、福知山公立大学の情報学部にマインクラフトを活用したプロジェクトの実施をお願いしました。学生の『やるなら福知山市のシンボル・福知山城をつくりたい』という想いから、プロジェクトがスタートしました」(福知山市秘書広報課)。
福知山城は1579(天正7)年に明智光秀により築城された。明治に入り廃城となったが、1986年に、建築費の6割以上が個人・団体からの寄附により再建。福知山市にとってシンボルといえる建築物だ。
お披露目会で福知山城をバックに記念撮影
マネジメント力や責任感などが学べる
マインクラフトとは、ブロックを採取したり、ブロックで建物を作ったりして、思い思いの世界を構築しながら、ものづくりや探検などが楽しめるゲームだ。
2011年の正式リリース以降、利用できるプラットフォームの種類を増やし、これまでの累計売上数はおよそ2億本と世界で最も売れたゲームである。
プレーを通じてプログラミング的思考の育成やアクティブラーニングにも活用できる。
今回の「福知山城マインクラフト」プロジェクトは、アジア初のプロマインクラフターであるタツナミシュウイチさんの監修のもと、福知山城を忠実に再現することを目指した。
プロジェクトには、情報学部の1年生から3年生までの有志19人が参画した。
「ひとつの成果物を複数のメンバーが分担して制作するのは簡単ではなく、ひとつの組織として計画的に進めていく必要が出てきます。プロジェクトの進行管理におけるマネジメント能力、プロジェクトの一員として役割(役職)を全うする責任感、課題を見つけ解決していく課題解決力が学べるプロジェクトを目指しました」(福知山公立大学情報学部講師 藤井叙人氏)。
完成した福知山城の外観は、周辺も含めて忠実に再現され、内観も実際の城のように、天守閣の展望室から福知山の街並みを一望できる。
本プロジェクトに参加した学生と担当教員などが講師を務める「小学生のためのプログラミング教室」の教材としても活用している。
大学のPBLの一環として展開
プロジェクトの集大成として2022年8月、お披露目会を福知山城で開催。一般公開(8月16日~9月7日)を経、プロジェクトは一旦区切り、現在は「福知山マインクラフト」として大学のPBL(課題解決型学習)の一環として展開している。
藤井氏は「今後は大学校舎をマインクラフト内に再現し、オープンキャンパスで活用するなど、リアルとバーチャルを融合させた取組を進める予定です。大学と社会との接点の場としても期待できます」と話した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年11月7日号掲載
(執筆 蓬田修一)
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