【第87回】ICTキャンパス 大阪工業大学大学院「データサイエンス教育 地域の経営者らが受講」 2021年7月7日
ビジネスの課題解決で認知度をさらに高める
大阪工業大学大学院情報科学研究科は2021年度、主に社会人を対象とした「AIデータサイエンス・リカレント教育プログラム」を開講した。勘や経験に頼ることなく、データ分析をもとに課題解決できる人材を育成する。
同学情報科学部データサイエンス学科長の椎原正次教授は「データサイエンスはまだ認知度が低いのが現状です。そこで、さまざまな企業、組織の経営者やキーパーソンの方々に、生産性向上やマーケティングに関心を持ってもらい、実際に課題を解決することで、データサイエンスを広めていただくことを狙いとしています」と話す。
本年の受講者は地元の経営者など15人。印刷業に携わる50代の人は、AIを活用した業務効率化のために参加。また、昨年先行開催のトライアルを受講した50代の中小企業経営者は、社内でのAI・データサイエンス活用を検討するのが目的だ。
受講者にはほかに、地元商工会議所の職員、企業のマーケティングやものづくり担当の中堅層などがいる。
同プログラムは大阪工業大学大学院情報科学研究科のカリキュラムとして実施しているため、同研究科生も履修している。受講者数の定員は20人だ。
5科目の講義を土曜日に実施
講義は次の5科目で、土曜日に授業を行う。
データマイニング実践特論=感情、態度、好みが商品・サービスの購買行動にどのように影響するか、その因果関係をモデル化し、仮説と検証を行うデータマイニングの手法を解説する。
機械学習実践特論=教員データ(正解データ)をもとに学習を行う「教師あり学習」と、どのような行動をとることでより多く報酬がもらえるかを学習する「強化学習」について学ぶ。
データサイエンスPBL=PBLとは問題解決型学習のこと。この授業では、実践演習を3回実施予定。その演習に向け、回帰分析を通じた因果推論を中心に、外生変数、内生変数、ランダム化実験などについて講義する。
モノづくりのためのデータサイエンス実践特論=モノづくり現場におけるムダの顕在化とその除去などについて、動作・作業の時間や距離を測定し「見える化」を促進させる。
マーケティングのためのデータサイエンス実践特論=マーケティング活動に活用させるため、企業ウェブサイト、ネットにおけるレビューコメント、ツイッター投稿などを分析するための実践的テキストマイング手法を身に付ける。
BPとして文科大臣から認定
同学の建学精神は「世のため、人のため、地域のため、理論に裏付けられた実践的技術を持ち、現場で活躍できる専門職業人を育成する」というものだ。
リカレント教育プログラムを担当する同学情報科学部データサイエンス学科の皆川健多郎教授は「リカレント教育への取組は、本学の建学の精神に立ち返るとともに、本学が取り組まねばならない課題であるといえます」と話す。
今回のプログラムは社会人や企業等のニーズに応じた実践的・専門的なプログラム「職業実践力育成プログラム(BP)」として、文部科学大臣から認定を受けている。将来的には、厚生労働省の教育訓練給付制度の申請を考えているという。
2023年度からは、教材開発を大学独自で行い、授業運営などを同大学の情報科学部が主導するコンソーシアムを立ち上げ、プログラムはそこに外部委託して実施することを検討している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年7月7日号掲載
(執筆 蓬田修一)
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