【新春の和歌】 新しき 年の初めに(万葉集) 葛井連諸会(ふぢゐのむらじもろあひ)
葛井連諸会(ふぢゐのむらじもろあひ) 詔(みことのり)に応ふる歌一首
新しき 年の初めに 豊(とよ)の稔(とし)
しるすとならし 雪の降れるは
万葉集
[現代語訳]
葛井連諸会(ふじいのむらじもろあい)が天皇のお言葉にこたえて詠んだ一首
新しい 年の初めに 豊かな実りの
前兆となるでしょう 雪が降るのは
こんにちは 蓬田です!
天平十八年(756年)1月、橘諸兄(たちばなのもろえ)たちが御所の雪かきをしました。
元正天皇は橘諸兄たちを招き酒宴を開きます。その席で、元正天皇が雪を題材にして歌を詠んでみよとおっしゃいます。そのときに詠われた歌のひとつです。
中国の習慣で、雪は豊作の前兆。この歌はそれを踏まえたものです。
作者の葛井連諸会(ふぢゐのむらじもろあひ)は渡来人で、もとは白猪史でした。
百済の午定君の三子が分れて、白猪史、船史、津史になりました。
葛井というのは、河内国志紀郡藤井に由来しています。
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