口コミサイトやカスタマーレビューは見ません!?

評価サイトや口コミサイトを見て、行動を決めるのはバカの極み

ある方(経営コンサルタント)が書いていた文章です。その理由は、

自分の行動を他人の評価で決めるのだから

というものです。確かにそのとおり。自分の行動は、自分で判断しないといけませんよね。他人の評価を真に受けて失敗しても、その評価を書いた人もサイトの運営者も責任は取ってくれません。というか、他人の評価をもとに行動するという行為が、個人的には気持ち悪いです。

わたしは評価サイトや口コミサイトというサービスは、ほとんど利用したことないのですが、近年、ネット通販はよく利用しますので(Amazonを年200回ほど)、商品を買うとき、カスタマーレビューはよく読みます。というか、これまでよく読んでいました。いまは、初めて買うジャンルの商品のときなどに、ほんのちょっと読むだけです。

その理由は、トンチンカンなレビューを書いている人が思いのほか多いからです。価格やスペックから初心者用の商品なのに、中級者視点で不満を述べている人がいたり、低価格の商品なのに、通常価格や高額商品と同じような堅牢性を期待している人がいたり。こういうレビューは読んでしまったあと、時間を無駄にした感覚が半端ないです。

カスタマーレビューを読まなくなってからは、カスタマーレビューの内容に惑わされることがなくなったので、精神的な負担が減りました。読みませんから、物理的な時間の節約にもなりました。読まずに、自分の判断でスパッと決めますから、ネット通販するときだけでなく、日々の行動における自分の判断に自信が付きました。生きていくとは、毎日毎日、判断の連続ですから、精神的に軽快になった感じです。

カスタマーレビューを読まなくなった背景や、その効果は、改めて考え直すといろいろ興味深いことがありますね。それについては、また別の機会に書きたいと思います。
(M&C蓬田修一)




Posted on 2019-11-03 | Category : しあわせマーケティング, コラム | | Comments Closed

美術館嫌い?!篠山紀信の写真力  

篠山紀信 写真力

空間力との対決

東京ドームシティのGallery AaMoで開催された「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN The Last Show」を見た読者さんから、こんなメッセージをいただきました。

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篠山紀信がスゴイと思うところは、本人よりも本人らしく撮るところ。
表情もポーズも、この人以外に考えにくいと思わせる。
媒体の性質にも合わせるから、実は表現が多様。
それが篠山紀信の真骨頂。
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日本を代表するカメラマン、篠山紀信。若い人たちはどうなのか知りませんが、中年以降の世代にとっては、知らない人はいないでしょう。わたしもGallery AaMoに見に行きました。

メッセージをくれた読者さんの「媒体の性質に合わせるから表現が多様」っていう見方、この方は良く作品を見ているし、媒体(=メディア)と掲載写真との関係性からも鑑賞できるアプローチを備えていらっしゃることに、とても感心しました。

個人的には、わたしもメディアの世界に身を置いていることもあり、篠山紀信という写真家には大きな関心があります。同時に、篠山紀信はとても希有な存在のカメラマンだと思っています。

アート的な作品を撮るカメラマンはいますが、篠山紀信はそうした方向性では写真を撮らず、デビューから一貫して「商業カメラマン」として活躍しています。

雑誌の編集部から撮影の依頼があり、企画のコンセプトに合わせて撮影して、撮った写真を編集部に納品する。実際はいろいろなケースがあるのでしょうが、基本的にはこの流れです。篠山紀信の記者会見に出たことがありますが、彼自身がこういう意味のことを言っていました。こうした篠山紀信の写真に対する姿勢は、個人的にはとても好感を覚えますし魅力的に感じます。

それから、篠山紀信が美術館に対して感じていることも、とても興味深い。彼は、美術館に展示されている写真のことを「死んでいる写真」って言っていたかなあ? もし間違っていたらごめんなさい。

とにかく、美術展での写真展示を良く思ってないんですね。だから、あれほどの名声を持った写真家ですから、美術館で作品展を開催しようと思えば、これまでできないことはなかったんでしょうが、「美術展は開けないんだ(美術展からお声がかからない)」とも言っていました。

ではなぜ、今回、展覧会を開催したかというと(今回の「篠山紀信展 写真力 HE PEOPLE by KISHIN」は、2012年から全国の美術館など32会場を巡回した)、写真をただ展示するのではなくて、写真と(美術館の)空間との対決を目論んでいたようです。

巨大に引き伸ばした写真と、それを展示する美術館の大きな空間。逆に言えば、空間に負けないよう、写真を単純に巨大に引き伸ばしただけ、と言ったら言い過ぎでしょうか?? でも、そんな直球な手法が篠山紀信先生のエネルギーを物語っているようでした。




Posted on 2019-10-28 | Category : しあわせマーケティング, コラム | | Comments Closed

【イベントインプレッション】CEATEC 個人的にはかつての迷走を脱却

CEATEC

出品物が数年後には現実化
幕張メッセで開催された「CEATEC」について、インプレッションしたいと思います。ビジネスという視点からでなく、一般の生活者の立場からです。

CEATECは昔の「エレクトロニクスショー」略して「エレショー」が前身で、その頃は家電の見本市でした。

国内の大手家電メーカーが勢揃いして大規模ブースを構え、派手な展示を競っていた。言ってみれば、日本の国策的な見本市だったたと思います。

その後、国際マーケットの変化にともなって、日本の家電メーカーは事業内容を大きく変え、展示内容も変化していきます。要は、見本市自身が迷走してしまったわけです。

そこで見本市の名称を「CEATEC JAPAN」と変え、コンセプトをリニューアルして再出発。さらに今年からは、名称からJAPANをはずして「CEATEC」だけとなりました。

なぜJAPANを取ったか? これまでは日本の技術を集めて発信するという意識が主催者側にあったようで、だからJAPANを付けていた。これからは日本にとらわれずに運営していこうということらしい。(機会があれば主催者に確認したいです)

わたしはエレショー時代から20年以上ほぼ毎年、会場に行っていますが、迷走していた時期は会場を回っていてもテンション上がりませんでした。まあ、当時の自分の仕事に対する心構えが未熟なうえ、社会全体に対する勉強も足りていなかったこともあるんでしょうが、出品物に対してどう接していいかよく分からず、見本市のあり方もひまひとつピンと来なかったのを覚えています。

それが、近年はだんだんと面白く感じてきました。その理由のひとつは、CEATECで見たアイデアが数年後には現実化しているからです。

もうだいぶ前でしが、ARのデモを体験したとき、正直「なんかよく分からないな~」「これがどういうふうに使われるんだろう??」と思っていましたが、数年後には瞬く間に普及していきました。

去年だったか、ローソンが自動レジのコンビニを出品していました。商品を持って通過するだけで支払い完了! その技術はまだ実用化されていないけれど、スーパーのレジはどんどんセルフになっていて、コンビニの自動レジも現実感を持って考えられるようになっています。

今年も面白い出品物がいろいろあったけれど、ひつとだけあげると、日本タクシーが出品していた、タクシーのドラレコデータを使ったサービス。空き地情報や屋外広告の効果検証などのサービス提供を考えていて、すごく興味深かった!

CEATECの面白いところは、各企業の最新技術の最前線がまとまって見られ、すぐ先の未来のサービスやビジネスの姿が、生活者視点で考え見通せることです。

今年行けなかった人は、来年ぜひ時間を作って行ってみることをおすすめします!

↓ANAブース。今年はANAが力を入れて出展していたのが印象的。
CEATEC

思いのほか出展企業の新陳代謝が激しい
今年のCEATECの登録来場者数は14万4491人。昨年は15万6063人で1万人以上減少した。台風の影響なのかもしれない。

おれは3日目、3万8585人が来場した日の午後に行ったが、会場は賑わっていたというか、混雑していたよ。

出展者数は787社・団体。昨年は725社・団体で8.6%増加。出展小間数は2,122小間で昨年は1,786小間だから、18.8%という結構な伸び率。今年は使用ホールが1ホール増えた。

海外出展者は24か国・地域から250社・団体。昨年は19か国・地域から206社・団体だから、これも結構増えた。

興味深いのは、新規出展者数。304社・団体で、全出店者数の4割近くを占めている。昨年は345社・団体。

継続出展している企業は思いのほか少なく、毎年、たくさんの企業が新規に出展しているのが意外だった。




Posted on 2019-10-20 | Category : しあわせマーケティング, コラム | | Comments Closed

美術展にデジタルサイネージ

中国企業日本法人が美術館に売り込み
最近、美術館や博物館の展覧会を見ていて気づくのは、展示技術や手法が進歩していることです。

先日、幕張メッセで開催された見本市「デジタルサイネージジャパン2017」を取材したとき、美術品の展示に関する面白い出品物を見つけました。

「IoTインタラクティブ透明ディスプレイシステム」という製品です。(下の写真)

展示ケースの正面ガラス部分がデジタルサイネージになっていて、ガラスに映っている案内を指でタッチすると、いろいろなコンテンツ(作品の詳細解説など)がガラスに表示されます。

また、ガラスにはデジタル処理された展示作品の画像も映し出されて、画像を指で回すことで、いろいろな角度から作品を見ることができます。

出品者は中国企業の日本法人BOEジャパン。ブースにいた同社の社員に話を聞くと、中国では、すでに北京の故宮博物館には導入されているとのことです。

日本の美術館や博物館に対しても、いま売り込み中だそうです。

こうしたインタラクティブ性が高い展示手法は、特に子供向けの展示には、とても有効だと思います。

もちろん、おとなが対象の美術展でも、活用アイデアによって導入効果が高いでしょう。

美術館や博物館の展示ツールには、今後、大きく変化していく可能性があると改めて思いました。

(text & photo:M&C編集部 蓬田修一)

※2017年6月24日発行の「M&Cメールマガジン」に記載した文章を、一部変えています。




Posted on 2017-12-13 | Category : しあわせマーケティング, アートに誘われて, コラム | | Comments Closed

ヤマハ「ボーカロイド教育版」で藤村の詩にメロディ

「教育ITソリューションEXPO」のヤマハブース


ヤマハが「ボーカロイド教育版」を出品
「第8回教育ITソリューションEXPO」(会期:2017年5月17日~19日、会場:東京ビッグサイト)のヤマハブースで、ボーカロイドを使った教育ソフト「ボーカロイド教育版」を見ました。

ボーカロイドを小学校の教育に取り入れるということで、このソフトのことを知って以来、興味津々でしたが、実際に見たのは今回が初めてでした。

説明員のデモを行ってくれましたが、それを見るとタブレット画面に音階を置いていくだけで、とても簡単に曲が作れます。

パンフレットには「学年歌・学級歌をつくろう!」とのキャッチコピーがありますので、ヤマハとしてはそうした使い方をまず想定しているのかもしれません。

ただ、説明員によれば「歌は構成が複雑なので、いきなり歌を作るのはハードルが高い。国語の教科書に載っている島崎藤村らの詩に曲を付ける使い方をしているケースをよく見かける」とのことでした。

有名な文学者の詩にメロディを付ける! なんて素晴らしい授業でしょうか。

私は作曲が趣味で、詩にメロディを付けたこともあります。子どもたちがどんなメロディを作ったのかぜひ聞いてみたい。

説明員に「ヤマハでは子どもたちの曲をデモ音源としてネットにあげていませんか」と聞きましたが、それはないとのことです。残念。
(TEXT:M&C 蓬田修一 PHOTO:Media & Communicationより転載)

出品された「ボーカロイド教育版」




Posted on 2017-05-18 | Category : しあわせマーケティング, コラム, 音楽のこころ | | Comments Closed

驚くべき見世物小屋ワールド

今回の展示会場の外観。実際の見世物小屋のように、周囲を壁で囲んで絵看板を掲出し、見世物小屋の雰囲気を醸し出している。

今回の展示会場の外観。実際の見世物小屋のように、周囲を壁で囲んで絵看板を掲出し、見世物小屋の雰囲気を醸し出している。


安田里美「人間ポンプ」映像が見られる貴重な機会
昭和の中頃まで、全国各地のお祭りや縁日には、見世物小屋が建ちました。私が子どもの頃(昭和40年代)、近くの大きなお寺では、境内に見世物小屋が建ち、恐ろしげな絵看板をいくつも高く掲げて興行していました。

大学に入ってからも、新宿の花園神社の境内には、見世物小屋が建ち、呼び込み口上が響いたのを覚えています。

私は、中に入ってみたい気持ちがあった反面、子どもの頃は怖くてとても入る勇気はなく、大学生の頃はいかがわしさも感じていたのでしょうか、結局、小屋の中に入ることはありませんでした。

今思うと、見世物小屋の世界を体験しておけばよかったと残念な気持ちです。そうした気持ちもあって、見世物小屋の興行が途絶えて以来、ずっと気にかかっていました。

そうしたところ、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で、見世物小屋をテーマにした展覧会が開催されていることを知り、早速見に行きました。(展覧会名称:特集展示「見世物大博覧会 現代編」、会期:2017年4月18日(火)~7月17日(月祝))。

会場には、実際の見世物小屋で使用されていた絵看板(看板絵師の志村静峯の作品)やチラシ、切符などのほか、安田里美(大正末期から現在まで続く見世物小屋の興行主、安田興行社の2代目)芸で使っていた小道具も展示されています。

中でも注目は、安田里美が演じる「人間ポンプ」の映像放映です。飲み込んだ金魚を、釣り針を使って釣り上げる芸など、安田里美の往年の芸が見られます。

今回の展覧会は「特集展示」ということで、通常展示室の中に特別に作られた部屋で行われています。展示エリアは1部屋のみの小さな規模ですが、展示品はほかでは見る機会がほとんどない貴重なものばかりです。

今回の展覧会で、長年見たいと思いながら叶わなかった見世物小屋の芸を見ることができ、また、展示してある史料も、イベントの歴史的な観点から、あるいはデザインの観点から興味深く、大変に見応えがありました。

見世物小屋に入ったことのある年配の人にとっては懐かしく、見世物小屋を知らない世代の人にとっては驚きの展覧会だと言えるでしょう。

マーケティングやイベントの仕事に関わる人には、かつて行われていた見世物小屋という歴史的事実を通して、新たなヒントやインスピレーションが湧いてくるかもしれません。

また、展示されている絵看板や資料は、今見るとデザインがとても魅力的です。イラストレーターなどのビジュアル関係の人にとっても感性に響く展示品が並んでいると思います。
(TEXT:Media &Communication 蓬田修一)

特集展示「見世物大博覧会 現代編」
会期 2017年(平成29年)4月18日(火)から7月17日(月・祝)まで
会場 国立歴史民俗博物館 第4展示室 副室
観覧料 一般420円(350円)、高校生・大学生250円(200円)、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※総合展示もあわせて観覧できます。
※毎週土曜日は高校生は入館無料

Posted on 2017-05-17 | Category : しあわせマーケティング, アートに誘われて, コラム | | Comments Closed

GINZA SIX 売り場面積4万7000㎡ 目標年商600億円

GINZA6

松坂屋の売り場はなし
2017年(平成29年)4月20日、松坂屋銀座店(2013年6月に閉店)の跡地にGINZA SIXがオープンしました。

地下2階~地上6階と13階の一部が商業施設で、売り場面積は約4万7000㎡、7階~12階と13階の一部はオフィスです。館内には国内外の241ブランドがテナントとして出店しています。

上の写真は、GINZA SIXの中央通り沿いの外観です。写真にはすべて写っていませんが、中央通り沿いには6つの高級ブランド店が並び、各店のファサードデザインが異なっています。

写真に見える角の店舗はFENDIです。ファサードデザインがロマネスク様式の建築物のようであり、中国などアジア各地にある仏教の石窟寺院のようでもあります。

松坂屋は、商業モールとしてのGINZA SIXの運営を行い、事業収益を上げていきます。GINZA SIXには松坂屋の売り場はありません。ちなみに、GINZA SIXの事業主体は、J.フロント リテイリンググループの中核企業である大丸松坂屋百貨店、森ビル、L キャタルトン リアルエステートおよび住友商事の4社の共同出資によるGINZA SIXリテールマネジメントです。

GINZA6 草間彌生

吹き抜けの天井には、芸術家草間彌生の大きな作品がディスプレイされています(上の写真)。

館内には、ほかにもアート作品がディスプレイされているほか、6階には蔦谷書店があり、GINZA SIXはアートや文化にも力を入れています。地下3階には能楽堂もあります。

GINZA SIXの目標年商は600億円で、年間来館者は2000万人が目標です。

目標年商についてですが、単純計算すると、2000万人の来館者全員がひとり3000円買い物すると600億円になります。

ただ、来館者全員が買い物をするわけではありませんし、目標年商には外商や法人営業なども含まれているでしょう。どのくらいの年商を上げていくのか注目したいです。
(TEXT、PHOTO:Media &Communication 蓬田修一)




Posted on 2017-05-16 | Category : しあわせマーケティング, アートに誘われて, コラム | | Comments Closed

鉄道博物館 2017年秋にリニューアル

「未来」をテーマにしたゾーンのイメージ。自らが作成したアバター(自分の分身となるキャラクター)が未来の駅や鉄道に入り込んで、より安全で快適な駅や車両を体験できる。


[text:蓬田修一]

2017年10月に開館10周年を迎える鉄道博物館が、JR東日本設立30周年を記念して、本館の全面リニューアルならびに新館(仮称)の建設を行うことになった。

新館は本館の南側に建てられ、これにより展示面積は約1万4800㎡となり、現在の約1.5倍に広がる。

展示ゾーンも一新される。新館には「仕事」「歴史」「未来」「旅」をテーマした4つのゾーン、本館には「車両」「科学」がテーマの2つのゾーンが設けられる。鉄道の車両・技術に加え、鉄道が織り成す文化の多様性も感じられる展示になる予定だ。




Posted on 2015-03-05 | Category : しあわせマーケティング, コラム | | Comments Closed

総合免税店LAOXが好調な理由

LAOX銀座本店

銀座大通り沿いに建つLAOX銀座本店。店舗前には、買ったばかりの商品が入った大きな紙袋を持つ中国人旅行者がたくさんいる。写真では暗くて分かりにくいが、店舗のファサードは日本の伝統色である朱漆と漆黒を基調とした「和モダン」なデザインだ。


「外国人がほしい商品」をすべて揃える総合免税店
2014年(平成27年)2月24日の夕方5時半くらい、取材先に向かうため東京・銀座の大通りを歩いていた。街は買い物客で賑わっていたが、歩道をすれ違う人の4分の3くらいが中国語を話している旅行者だった。

私は大学で中国語(標準語)を学んだので、標準語なら聞き分けられる。また、台湾で2年間生活していたので、台湾人が話す「台湾語」は聞けばそれと分かる。中国には地方ごとに独自の言葉があって、北京には北京の言葉、上海には上海の言葉、福建には福建の言葉がある。北京の言葉と福建の言葉では意思疎通が十分にできないほどその違いは大きい。

銀座の街ですれ違う人たちの中には、標準語でも台湾語でもない言葉で話している人たちも多かった。私には聞き取れなかったが、中国のどこかの地方の言葉のようだ。

私は銀座4丁目の交差点から新橋の方へ向かっていたが、新橋方面に進むにつれて、だんだんと中国人旅行者が多くなる。大通りには大型バスが数珠つなぎになって停車している。そして、中国人旅行者の数が最高潮に達した場所がLAOX銀座本店の前だ。

同店は2013年11月に開業したLAOXの旗艦店。LAOXと聞くと家電量販店というイメージがあるかもしれないが、2009年に訪日外客を対象にした免税店に方針を転換し、現在は国内に17店舗を構えている。銀座本店は、最先端の家電から、化粧品、日本の民芸品まで「外国人がほしいと思う商品」をすべて揃える総合免税店だ。

同店の来店客でもっとも多いのが中国人だ。その理由は中国人がほしいと思う商品を揃えていること、ホテルのようなサービスを提供するコンシェルジュが常駐していることが挙げられる。

こうした「品揃え」「サービス」以外に来店客増加に大きな役割を担っているのが、中国での集客施策だ。LAOXの親会社は中国最大の量販店である蘇寧雲商(蘇寧電器から2013年に社名変更)。来店客にとっては、蘇寧雲商の提携店ということで安心感がある。

加えて、蘇寧雲商の店舗や中国で展開するLAOXでは、延長保証対象商品のアフターサービスを受け付けていることも、来店客にとっては購入動機となっている。

LAOX銀座本店は、目標年商30億円を大幅に上回るペースで成長しているという。中国人旅行者がほしいと思う品揃え、日本ならではのきめ細やかなおもてなしサービス、蘇寧雲商との提携による知名度と安心感の3点が、LAOXの好調な理由だと感じた。
[text/photo:蓬田修一]




Posted on 2015-02-28 | Category : しあわせマーケティング, ギャラリー, コラム | | Comments Closed

船橋市のポテンシャルは高い 松戸徹船橋市長を聞いて


船橋市勤労市民センターで行われた松戸徹船橋市長の講演会

船橋市勤労市民センターで行われた松戸徹船橋市長の講演会

2015年(平成27年)2月7日(土)、船橋市勤労市民センターで行われた松戸徹船橋市長の講演会(主催:船橋法人会)を聞いた。松戸氏は東京理科大学を卒業後、船橋市役所に就職。社会教育分野でのキャリアが長い。一昨年の選挙で市長になった。

講演会では、船橋市の現状についての内容が多かった。初めて知ったことが意外と多く、私にとっては貴重な話だった。印象的な話をいくつか挙げてみる。

船橋市の人口は約62万人。全国の76.3%の自治体が人口流出している中、船橋市の人口は緩やかに伸びている。海外の都市をみてみると、同規模の都市にはポストン(62万人)、フランクフルト(67万人)がある。

JR船橋駅の乗降客数は千葉県で1位。ちなみに隣の駅の西船橋駅は2位だ。全国における順位は22か23位だったと記憶している。全国的にみても、乗降客数の多さトップクラスだ。どうりで混雑している訳だ。

海岸エリアには食品コンビナートがあり、加工食品を生産している。コンビニ弁当にとっても、重要な供給基地になっている。

また、地元に住んでいると意外と気づかないが、海があるということはそれだけで、内陸の自治体と比べると観光的・産業的にアドバンテージがあるという。

市長の話を聞き、船橋には高いポテンシャルが備わっていることを改めて感じた。
[text/photo:M&C 蓬田修一]




Posted on 2015-02-09 | Category : しあわせマーケティング, コラム | | Comments Closed